吹雪手帖その140「2013年個展への道(3)」
Date : 2013/04/27 Sat

吹雪手帖その140
「2013年個展への道(3)」

前の吹雪手帖から早くも1週間が経過しました!
ぜんぜん細かい事を書くヒマもなく(笑)
いよいよ開催まで残りあと3日ですよ〜!

次の月曜日にマットとレンタルの額縁が届いて
壁に設営すればすべて完了!
写真集も自分で製本してスッキリ完成!
という感じで、準備はほぼ出来上がりました!

神戸個展の準備期間と重なったので
それにつられていつもより進捗が早くなりましたね。
よかったよかった(笑)

この個展に向けて撮り始めたのは
昨年のデジタルHOLGAによる個展「焦げる風景」が終わって、
5月下旬からのスタートでした。

このままデジタルHOLGAの制作へ
一気に舵を取るのかと思わせておいて・・・なのですが(笑)
ちょっとフィルムによる制作もしてみたくなったのです。

もちろん、それを個展に結びつける意図は無く、
ちょっとした息抜きでしばらく遊んでみようかな、
それぐらいのことでした。

645判横位置によるフィルムHOLGAの制作に取って代わるものが
デジタルHOLGAということでしたので、
1年ぶりにフィルムHOLGAを撮るんだったら
これまでと違う事をしてみよう・・・

そこで引っ張り出してきたのが、
2005年の個展を最後に遠ざかっていた、
6x6判&黒枠&ライトリークという、
自ら捨て去ったはずの、昔のビジュアルでした。

ノスタルジィをダイレクトに喚起させるこのビジュアルは
日常と現在を描く方向性で制作をするには逆効果。
だからもうこのスタイルに取り組むことは無いはずだったのですが・・

2回ほどテストをして、その当時には自分でもよく判っていなかった、
このビジュアルならではの考え方や役割のようなことに気付き、
再び、ノスタルジィというものに
主軸を置いた制作をすることに決めたのでした。

そんな日々をまたもや写真の羅列で感じてください・・・
(最近このパターンばっかり、笑)

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写真表現を始めてから14年。
そしてこれが20回目の個展。

これまでに取り組んできたビジュアルの作り方とコンセプトが
少しずつ複雑に絡み合って、パズルのピースが集まった感じです。
全部がムダにならず、自分の創作の新しい血と肉になったように思います。

というわけで、吹雪大樹写真展「いつかへの旅」
いよいよ4月30日スタート!5月5日までの開催です。
5月2、3、4日は夜8時まで営業を延長します。

大型連休でいろいろ忙しい時期だと思いますが、
ご都合の合います方、ぜひお越し下さい。
どうぞよろしくお願い致します!
吹雪手帖 > 2013年個展への道
吹雪手帖その139「2013年個展への道(2)」
Date : 2013/04/20 Sat

吹雪手帖その139
「2013年個展への道(2)」

早いもので4月も下旬に差し掛かりました。
Kobe819Galleryでの個展「時の流れのどこかで」が終わってもうすぐ1週間。
そして次の個展の搬入まで残り9日。。。笑

神戸個展の搬入をしたのも3週間ほど前かと思うと
時の流れが最近早くなってやしませんか!?って感じです(笑)

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Kobe819Galleryオーナーの野元さんと設営前の談笑

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東京の個展でお世話になったルーニィさんから
レンタル御協賛の額縁が届きました!

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釘を打っていきまして・・・

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ハイ、完成!
カッコつけて記念撮影(笑)

もちろん個展期間もアビィは休まず営業していますので
僕が直接在廊できたのは各週1回で数時間ずつ・・・
それでもホントにたくさんの方々にお会いできました!

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あまり自分の個展の時はパーティーをやらないんですが
今回は1週目にそういった時間も設けていただきまして、
多くの方にお祝い頂きました!ありがとうございます!

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2週目の土曜日はトークイベントも開催!
早朝の地震で交通機関乱れまくりのなか、
遠くは三重県、和歌山県からお越しの方、
当日飛び入りでお越し頂いた方もあり、
1時間ちょっとでしたが、目一杯お話させていただきました!

今回初めて作品をご覧頂いた方から
いろんなご意見やご感想を伺い、
自分の取り組んできた事の道筋というものに
改めて確信を得ることが多々あり、
これからの活動の大いなる励みになりました。

また、アビィで3部作として発表した当時もご覧頂いた方や
昨年の東京個展を見て頂いた方も数多くお越し頂きました。
一度発表しているものにも関わらず、
こうやって繰り返しご覧頂けるというのは
ほんとに有り難い、嬉しいことだと感激しました。

東京の個展でお世話になった杉守ディレクターも
わざわざ東京からお越し頂きまして、
かつて一緒に作った展覧会を新しい形で見てもらえたことも
ほんとうに嬉しかったです。

撮影から3年経って、最初の発表から2年が経ち、
僕程度の作者がつくったものとしては、
短いスパンで消費される事無く、都合5回も展示する事になり、
発表当時はここまで長い付き合いになる作品だとは
自分でも思ってもみませんでした。

最初の制作中に身体を壊したりして
自分の血肉を20kgほど削って作ったような作品でしたが、
いまはそのころの思い入れや煩悩(笑)も消えて、
いろいろな人のところへまっさらに届く写真になったのかもしれません。

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ここに至るまでにご声援いただいた皆様、
写真集やプリントをお買い上げ頂いた皆様、
僕の目を新たに覚まさせてくれたクロスロードギャラリーの杉守ディレクター、
今回の展示の機会を頂いたKobe819Galleryの野元オーナー、
みなさま、ほんとうにありがとうございました。

そして僕の制作のしょうもない悩みをいつも聞いてくれて、
ドジをしながらも支えて手伝ってくれる妻にも感謝。

さあ、もうすぐ次の個展です。新作です。

「いつかへの旅」が始まります。

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開催まで残り日数もあまりありませんが、
この制作の事もボチボチと書いていきたいと思います!

それではみなさま引き続き、どうぞよろしくお願い致します〜!
吹雪手帖 > 2013年個展への道
吹雪手帖その138「2013年個展への道(1)」
Date : 2013/03/30 Sat

吹雪手帖その138
「2013年個展への道(1)」

ギャラリー・アビィ代表/吹雪大樹が
個展開催を志す方々の参考になればと、
自らの個展開催へ至る苦悩と作業の日々を綴る
「個展への道」シリーズ!

いつもなら年明けからドシドシ連載してるんですが
今年は何かと忙しくて、書くのがすっかり遅れました!

というのも、4月と5月に個展開催という
クレイジーなスケジュールを組んでしまったから!(笑)

まずは4月の個展のコトから書いてみますヨ!

吹雪大樹写真展
「時の流れのどこかで」
2013.4.2〜4.14 / Kobe 819 Gallery
(ギャラリーHPでの展示情報はこちら

おっと、この個展タイトル、どこかで見た事が・・・

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そうです!
昨年11月に開催した東京個展の巡回展として、
Kobe 819 Galleryで開催させていただく機会を得ました!

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Kobe 819 Galleryは南船場写真ギャラリーの老舗である
Nadar大阪の最初期のスタッフとして活躍した
野元大意さんが昨年11月にオープンさせたばかりのギャラリー。

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神戸元町のレトロなビルにひっそり佇むステキな空間です!

オープン後からの連続特別企画展と公募展の狭間の2週間に、
個展のオファーをいただきまして、それならば!と、
「時の流れのどこかで」の開催をお願いしました。

元々はアビィで2011年に発表した個展3部作の再構成ですので、
根本となる展示自体をご覧になっている方は多いわけですが
そこから新たによりすぐられた22枚の世界は
まったく新しいものだと思いますので
関西の皆様にも是非ご覧頂く機会を作りたい!

そう思っていた矢先のオファーでしたので
5月の新作個展も控えて準備がハードになるのは目に見えていましたが
迷う事なくお返事させて頂きました!!(笑)

といっても、いちどカタチになっている展示ですから
準備もカンタンじゃないですか〜?
・・・ってのは大間違い!

ギャラリーの壁面の造り自体が変わりますから
額縁の大きさや並び順も場所に合わせて変えなければなりません。
どの写真を展示するかというのが決まっているだけで
ほとんどイチから作り直しに近い作業なのです!!

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東京の個展を開催したクロスロードギャラリーさん
おおよそ5つの壁面で展示順を考えましたが
Kobe 819 Galleryは長い2面+短い1面という感じ。

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東京個展の時にも使った見本プリントを引っ張り出して、
おおまかに並びを入れた配置図を検討します。

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実際に写真が並んだ室内の雰囲気を想像しやすいように
見本プリントを並べた輪の中に自分も入って妄想中。。。笑

額縁の大きさは壁面の都合で東京の時よりも1周り小さくなるので
プリントとマットを新たに作り直してマウントしていきます。

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ちなみに今回お借りする額縁は
東京個展を開催したクロスロードギャラリーさんの本店である、
ルーニィ247フォトグラフィーさんから御協賛をいただきました!
代表の篠原さん、ディレクターの杉守さん、ありがとうございます!

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展示物の用意ができたので、
あとは販売用の写真集や感想ノート、
設営作業に必要なアレコレを揃えて準備完了!!

さいきん、あんまりお酒飲んでないんですけど
ホタテの酢ミソでちょっとお祝い(笑)

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会期中のイベントとしましては、
4月5日(金)午後7時からレセプションパーティー、
4月13日(土)午前10時30分からトークショーを開催!
パーティーは参加自由ですが、トークショーは予約制ですので
事前にKobe 819 Galleryへお申し込みをお願いします!

てなわけで、4月1日月曜日に神戸で設営してきます!!
この個展が終わって2週間したら5月はアビィで新作個展です!!
我ながら無茶なスケジュールですが、張り切っていきますよー!!(笑)
吹雪手帖 > 2013年個展への道
吹雪手帖その137「2012年個展への道(11)」
Date : 2012/12/06 Thu

吹雪手帖その137
「2012年個展への道(11)」

さてさて、今年3回目の個展搬入まであと数日・・・!

撮影自体は7月から取り組んでいましたが、
先月の東京個展がけっこうな大仕事でしたので
セレクト、レタッチ、レイアウトなど実際のことは
11月中旬に差し掛かってから考え始めたという短期決戦!

しかしもうすでに展示物の準備は完璧!
壁面へのレイアウトも綿密に考えました!
いまは写真集製作に必死!!ってカンジです(汗)

そして今度の個展はインパクト勝負!
中身はカラッポ!なんのメッセージもありません!

しかし、なんだか妙な自信があります。
こういう時が実は表現者として危ない時なんでしょうか?
でも・・きっと面白い物を見てもらえると思います!

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素材はなんと1万枚!そこから150枚にいったん絞り、
1つ1つ大胆かつ繊細にフォトレタッチを施していきます。

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さらに50枚削って残った100枚がセレクト元に。
全部印刷して実際に並べて検討を重ねます。

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毎日のように並べ替えては試行錯誤。
写真の入れ替えも何度か行い、壁面レイアウトが決定!

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A2サイズ28枚、A0サイズ2枚の大判出力は
合計430MBのデータ入稿!!送信するだけでも大変!

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大判印刷の仕上がりを待つ間に、販売用写真集の制作!

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ページの構成、冊子の仕様、印刷業者のリサーチなど!!

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展示そのものと違って、写真集はあとあとまで残るモノですから
いい加減なコトはできませんので、ギリギリまで検討します!

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そうこうしてると、展示用のプリントが仕上がってきました!
130万画素の写真をA2やA0に伸ばすって狂気の沙汰??

でも、7月のPARALLEL WORLDの時、VQ写真をA3に伸ばしてみて
「VQ写真は大きくした方が面白い」って直感したんです!
そのほうがVQの画質の危うさと不思議さを際立たせられる感じ!

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けれど引き伸す事によって生じる「粗さ」が加わってはいけません。
モトの「画質が悪い感じ」を「キレイにそのまま」引き伸すという
とっても不思議なコトを実現できました!大満足のプリントです!

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大判プリントの展示方法も今回は工夫してみました。
他のギャラリーで見た方法をヒントに、マグネットを用います。
壁に刺した画鋲とマグネットでプリントをサンドイッチする作戦。
強力に固定でき、タルんできても貼り直しが容易!

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2Lサイズの販売用プリントにもサインを入れてあります!(笑)

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写真集の束見本を作って、ついに本番の製作に!

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今回は完全に手作業で製本します!ヒマでしょ!(笑)

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こんなかんじで出来上がりました!

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初版は限定50部!よろしくお願い致しますー!

ということで、フVQ大樹写真展「浴びるように眠りたい」は
来週12月11日〜16日、ギャラリー・アビィで開催!
130万画素の大判プリントとブキミな夢の光景のブチギレ競演!
みなさまにお楽しみ頂ければ嬉しいです〜!
ご来場お待ちしております〜!
吹雪手帖 > 2012年個展への道
吹雪手帖その136「2012年個展への道(10)」
Date : 2012/12/01 Sat

吹雪手帖その136
「2012年個展への道(10)」

11月の東京個展が終わって、
来週でそろそろ一ヵ月後!?って感じですが、
再来週には僕の今年ラストの個展が始まってます!

撮影自体は7月から進めてきましたが、
東京の個展が終わるまでは頭の切り替えがなかなかできず、
実際にセレクトやレタッチに着手したのは、ほんの3週間前(笑)
準備できるのもあと1週間なので急ピッチで作業してますヨ!

前回の吹雪手帖でも書きましたが、
今度の個展はトイデジの代表的機種である
VQ1015シリーズを使って撮った作品です。

昨年暮れまではトイデジ否定派だった僕が、
いざ使ってみると見事にハマッてしまいまして、
吉田泉さんとユニット展「PARALLEL WORLD」まで開催しました!

自分の価値観の1つが180度変わった出来事なのですが、
「PARALLEL WORLD」の時は2人で1つの物を作るテーマでしたので、
両者の作風を歩み寄らせるという作業が必要でした。
どちらかというと、僕が相手に近づける要素が強かったです。

では、今度は自分本来の作風でVQを使ったらどうなるだろう?
完全に否定していたトイデジになぜドップリ浸かってしまったのか?
いったい自分はそれだけの魅力をVQの何に対して感じているのだろう?

そのコトを知るためにもVQ個展は外せない!と決断したワケです。

しかし、これまでの僕のHOLGA作品のキャリアの中には
ちょっと同じようには加えにくい、という感じもあり、
せっかくなので変名でやってみようというアイデアが浮かびました。

けど、結局その名前を見て僕のことだと判らないといけない・・・
そして考えた結果が「フVQ大樹」というNEWネーム(笑)
フブイキュー大樹です。これは判りやすい!?

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タイトルは「浴びるように眠りたい」と名づけました!

これは僕がよく冗談で「寝てるとき以外ずっと眠い」と
言ってるのも理由の1つ(笑)なんですが、
VQの写しだす曖昧なビジュアルっていうのが
僕にとって「眠る前に見る夢」のような感覚があるんですね。

自分はまだ起きていて、これは夢だと判っていても
あたかも事実のように脳内で体験してしまう夢。

シュールというほど作り込まれた雰囲気ではなく、
しかし現実とあきらかに細部や状況が食い違った世界。
そういう雰囲気がVQ写真のビジュアルに合うと思うんです。

ではそのビジュアルの根源がどこにあるかというと、
僕が中学生、高校生の頃に話しは遡ります。

その頃、けっこう偏った読書に没頭していて、
特に読んでいたジャンルが「怪奇幻想文学」でした。
夢野久作とH・P・ラヴクラフトは何度も読みました。

そういう小説を読んでいて脳内に想像される風景というのが、
眠る前に見る夢=VQの写真・・・
そんな感じになっているのではないかと思ったわけです。

そう考えると、これまでの個展でも「まどろみシネマ」
昨年の3部作も随所にそういうビジュアルを使ってるじゃないかと
改めて気付かされたりもします。

だから、これまでの自分の作品と
さほど異なるものではないのかも・・・という気がしてきました。
いやもう、ここまできたらフVQ名義でやりますけど(笑)

現在の準備は、写真集の諸々が少し心配という感じで、
展示物自体はすべて出来上がってますからいちおう安全圏!
ラスト1週間は写真集制作のアレコレで振り回されそうです。
って、なんか個展のたんびにそんなこと書いてますね、汗。

具体的な制作の模様とかは来週の吹雪手帖で
ドドーンとお知らせしたいと思います!

12月11日〜16日の日程で開催いたしますので乞うご期待!!
みなさま、どうぞよろしくお願いいたします〜!
吹雪手帖 > 2012年個展への道