目には見えても、手には掴めない世界
Date : 2016/11/30 Wed

まずは前開催・佐藤柊写真展「My town」が
日曜日で無事に終了致しました。
たくさんのご来場ありがとうございます!

3度目の個展開催となった柊さん。
今回のテーマは「遠い記憶の中にある自分の街」でした。

それは作者が子供の頃に生まれ育った街で目にした、
ある特定の美しさを伴う原風景とも言えるでしょう。
しかし今、作者が再びその街に立ったとしても
子供の頃の感覚のまま感じることはできないかもしれません。

だからこそ、心の中で思い描けても、訪れる事は叶わない街を
今の現実の風景に投影することで形作ると共に、
自分が写真を撮ることの根本的な衝動の理由を
この作品の中で明確に提示できたのではないかと感じます。

みずからの「この世界」の捉え方を独特なアプローチで
私たちに見せてくれる佐藤柊さん。これからも目が離せません。
次回作にも是非ご期待ください!


20161130-1.jpg

さて、本日からは「向こうがわ●5」が始まります。
実は何年かおきにしか開催しないマボロシ?の企画展です。
初めてご覧いただく方も多いかもしれませんね。

20161130-2.jpg

鏡の中、水面の映り込み、ガラス越しなど・・・
目には見えていても直接触れられない「虚像」がコンセプト!

20161130-3.jpg

出展人数は9名と少な目ですがボリュ−ムのある展示になりました!
どんな作品が集まったのかお楽しみに!

20161130-4.jpg

日曜日までの開催となっております。
みなさまのご来場をお待ちしております〜!
展覧会のこと
いつも共にあり、いつも帰れない
Date : 2016/11/23 Wed

まずは前開催・畠山優樹「光滲」が
日曜日で無事に終了致しました。
この展示を体験頂いた皆様、ありがとうございます。

画面のほとんどを占める黒い影とそこに差し込む一条の光。
そういった写真をあえて薄暗い空間の中に並べて見せることで、
写真の中の光の存在感をより強く見せる効果を生み出しました。

いつものスポットライトに代わって仄かに光る照明器具は
電源ケーブルの配線を見せないように乾電池を用い、
壁面の中で独特の存在感を放つよう、サイズ感も拘った自作の装置。

さらにアビィの特長である大きな窓から入り込む外光が
刻一刻と展示風景に変化を与え続ける様子は、
この空間があたかも何かの回路のように作動して、
作品と対峙した人の記憶の奥底を照らす不思議な装置のようでした。

建築を志すこの作者ならではの、
驚きの空間を作ってくれたと思います。
まだ18歳の畠山さん。なかなかの巧者です。
みなさんも彼の今後の作品に、おおいにご注目ください!


20161123-1.jpg

さて本日から佐藤柊写真展「My town」を開催します。
2013年「巡る流体」、2015年「満ち欠けを覚える」で
自身の独特の「この世界の捉え方」を写真で表現した柊さん、
今回は2年連続、3度目の個展開催となります。

20161123-2.jpg

今回のタイトル「My town」はそのまま「私の街」と捉えてください。
もちろん、現実の場所ではありません。
「現実だった場所」であると言えば良いのでしょうか。

20161123-3.jpg

大人になって失ったものと、大人になったから分かったこと。
もう帰れない時間への憧憬と共に、静かな風景が並びます。

20161123-4.jpg

作者在廊は初日と最終日、また、土曜日夜はパーティーもあります。
日曜日までの開催です。みなさま、今週も絶対お見逃しなく!
展覧会のこと
一条の光が差し込む
Date : 2016/11/16 Wed

まずは前開催、くみこ写真展「The ordinaly」が
日曜日で無事に終了致しました。
ご来場頂いた皆様、ありがとうございます。

バックパッカーとして世界各地をたくさん旅した作者ですが、
個展の題材に選ぶのはいつもバングラデシュで出会った風景。
今回は3年前の個展の元になった写真を再び見つめ直し、
現地の人々の姿を中心にまとめ上げました。

遠い異国の雑踏や辺境に身を置き、
誰も自分の事を知らない人たちばかりの中で、
名も知らない現地の人たちを撮る。
お互いに関心を持ちながらも近づいたり離れたりしない。
そういった視線を独特の距離感で捉えてくるのが
この作家ならではの感覚だと思います。

そして、日本とは文化や宗教の違う世界ですから
あまりのギャップにギョッとする場面もありますが、
そういうことを差し引いて考えれば、
自分と何も変わらない、そこではごくごく普通の人たちなのです。
それが、世界中を旅したくみこさんが得た、1つの考えだと感じます。

旅人・くみこさんの次回作は地球のどこの風景になるのか・・・
皆さんも、くみこさんの今後の活躍にご期待ください!


20161116-1.jpg

さて本日から畠山優樹「光滲」を開催します。
建築を志す18歳の畠山さん。今回アビィ初登場です。
アビィの小さな空間に自分のアイデアを展開しました。

20161116-2.jpg

写真を壁に貼っていますが、
見せたいのは写真だけではありません。
いや、見えるのか・・・?

20161116-3.jpg

とにかく室内が暗いので、お足元にご注意ください。
作者在廊中は、ほんとうに廊下にいるかもしれません!

20161116-4.jpg

パソコンの画面で会場風景を見ているだけでは
何の体験にもならない展示であることは間違いありません。
日曜日までの開催です。皆様のご来場をお待ちしております。
展覧会のこと
留守のお知らせ(2016.11.12)
Date : 2016/11/11 Fri

明日11月12日(土)は外部展示在廊のため
吹雪大樹は終日留守にしております。

テクマクさんのお店番にて
ギャラリーは通常どおり営業いたしますので、
くみこ写真展「The ordinaly」ぜひご覧ください!

ご迷惑をおかけしますが、
何卒よろしくお願い申し上げます〜!
そのほかの話
そこでは、ありふれたもの
Date : 2016/11/09 Wed

まずは前開催・sprout写真展「静かな喜び」が
日曜日で無事に終了しました。
ご来場頂いた皆様、ありがとうございます。

オールスターズ戦の優勝を受けて向かった先は真冬の琵琶湖畔。
曇天の重たい雲が広がる世界の中に佇む静けさと美しさを
三ヶ月に渡って何度も通い詰め撮影しました。

それは、”琵琶湖の写真”を撮りたいのではなく、
自己の求める「美」が真冬の琵琶湖の風景にあると確信したから・・・
「静かな喜び」とはその「美がある風景」に出会えた喜びのことなのです。

曇天の琵琶湖水面は色彩も無くなりそうな気配を漂わせ、
湖面の波も静かで人の姿もありません。
しかしそれは決して寂しい風景ではなく、
見るたびに心が落ち着く穏やかな風景です。

そこをガッチリと高精細な画質で撮影し、
作品のテーマに確かな説得力を与えることができました。

この制作に係る1つ1つの選択が的確でゆるぎなく、
しかも押しつけがましくなく、観る者の心にスッと沁みこむ世界。
さすが9代目チャンピオン!という個展でした。

今後、sproutさんの描く世界をからますます目が離せません!
みなさんもsproutさんの次回作にご期待ください!


20161109-1.jpg

さて本日からは、くみこ写真展「The ordinaly」が始まります。
オールスターズ戦にて第5回は準優勝、第9回は5位入賞の実力派!
バックパッカーとして世界を旅し、写真を撮っています。

20161109-2.jpg

2011年の初個展から3回目となる今回も、
当初から一貫して取り上げている国、
バングラデシュで撮影した写真での作品となりました。

20161109-3.jpg

1ヶ月以上の長期間に渡ってローカルな旅を続け、
現地の人と独特な距離感を保ちながら集められた光景は
単なる旅行写真では済まされない、
何かを感じずにはいられない場面ばかりです。

20161109-4.jpg

作者は何を求めてこの国を訪れ、
そしてまたここへ戻るのでしょうか。
日曜日までの開催となっております。
皆様、お見逃しなく!
展覧会のこと