吹雪手帖その81
「2010年個展への道(2)」
ささささ・・・さて!
アホほど撮影したホルガ写真のネガを
毎日必死にスキャンしている吹雪大樹です(笑)
しかもスキャナにかければそれで完成ってワケではないので、
色調整にスキャンゴミの除去に、手間ヒマかけて作業してます。
しかしまあ、こういう作業の中で
「我ながら傑作!」と思うワンショットに出会う喜びは
ほんとうに嬉しい瞬間ですね。このために頑張っている感じですね〜!
しかし今回の「豆腐とビール」ですが、
準備段階ではいろいろなカメラで撮るつもりだったものを
ホルガ写真オンリーで行く事に方向転換したこともあり、
(そのため、お蔵入りした写真が多数・・・涙)
ほんとはちゃんとしたカメラで撮るつもりだった
メインビジュアルとなる「豆腐とビール」のイメージ写真を
ホルガで同じように撮ることがなかなか難しく、
構図とピントが何度やっても納得いかなくて四苦八苦・・・
相次ぐ失敗に懲りて、先日の撮影は工夫してみました。

用意するホルガは2台。
撮影用のホルガと、構図とピント確認用のホルガ。
確認用のホルガにはマスクの部分にトレーシングペーパーを貼ってます。
あとは接写レンズといつものフォギーフィルター。
ケラレがでるので、接写レンズの先にフォギーをつけています。
まず確認用のホルガを三脚にすえて、シャッターをバルブにして押せば、
レンズから通ってきた光がトレーシングペーパーのところに映るので、
構図とピントが確認できます。一眼レフのホルガみたいなもんです。
といっても、ホルガの絞りはF8で、
メインライトは室内の蛍光灯とクリップライト(笑)
トレペに映る像はかなり暗くなってしまうので、
屋外で大判カメラを使う時のような塩梅で
頭からコートを被ってカメラを覆わないと目に見えません。
トレペに浮かぶ像はデジカメでも全然写せないので
ファインダーからのぞくとこんなカンジ、という写真です。
ホルガはファインダーとレンズが別々ですので
接写撮影の場合はファインダーから見える範囲が参考になりません。
こんなふうにズレた感じで撮ると丁度良いのですが
闇雲にそれを合わせるのは至難のワザ!
同様に接写のピントをファインダーで確認できるわけでもなく、
そのために「一眼レフもどきホルガ」を考案したわけですね〜
カメラの位置が決まったら、豆腐とビールをセッティングして、
本番用のホルガに乗せかえて実際の撮影をします。
ピントの位置の設定や接写レンズを移し変えるのも忘れないように・・・
露光時間は3秒ぐらいバルブシャッターで普通に撮ったあとに、
ピカッとしたハイライトを加えて立体感を出すため、
懐中電灯の灯りでジョッキや皿などを照らして
少しずつ多重露光してみました。
あとは構図や撮影距離を変えるたびにこの繰り返しです。
しかも実際に風呂上がりの晩酌前に撮ってるので、
暑いやら湯冷めしそうやら、喉は乾くし早くビール飲みたいし、
泡が減ったらビールを継ぎ足すので、
まだ飲んでもないのに缶の中味は減っていくし、
もうとにかくタイヘンです(笑)
そして居酒屋のメニューに載せる写真のような、
現実離れした美味しそうな写真を撮ることが求められる内容ではないし、
かといって不味そうだったり貧乏臭くなってもいけないし、
どんな雰囲気で撮りおろせばいいのかというころで悩んでしまい、
豆腐とビールの写真だけですでにフィルム4本分ぐらい撮ってます(汗)
展示に使うたった1枚の写真のために、バカらしい話しですが、
今回は「バカげたことを真剣に取り組んでみる」ことに
パワーを注いでみたいわけです。
ホルガであることがどうでもよくなるぐらいの説得力を
そのパワーで写真に宿せることが出来れば、
ホルガによる写真表現が、次のステージを目指せるのではないかと。
手応えを感じた何枚かが撮れた気がして撮影終了!
あとは美味しく頂きました。
この日の晩酌、やっとこさ終了です(笑)
というわけで、出来上がりましたよ〜!
ゆ・・・ユルすぎるかも(汗)
とにかく!これにて本気でスタートです。
そのままゴールまでロングスパートしたままで走ります!
*****
吹雪大樹写真展「豆腐とビール」
2010年5月4日〜5月9日・ギャラリーアビィにて開催