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吹雪手帖その136「2012年個展への道(10)」
Date : 2012/12/01 Sat

吹雪手帖その136
「2012年個展への道(10)」

11月の東京個展が終わって、
来週でそろそろ一ヵ月後!?って感じですが、
再来週には僕の今年ラストの個展が始まってます!

撮影自体は7月から進めてきましたが、
東京の個展が終わるまでは頭の切り替えがなかなかできず、
実際にセレクトやレタッチに着手したのは、ほんの3週間前(笑)
準備できるのもあと1週間なので急ピッチで作業してますヨ!

前回の吹雪手帖でも書きましたが、
今度の個展はトイデジの代表的機種である
VQ1015シリーズを使って撮った作品です。

昨年暮れまではトイデジ否定派だった僕が、
いざ使ってみると見事にハマッてしまいまして、
吉田泉さんとユニット展「PARALLEL WORLD」まで開催しました!

自分の価値観の1つが180度変わった出来事なのですが、
「PARALLEL WORLD」の時は2人で1つの物を作るテーマでしたので、
両者の作風を歩み寄らせるという作業が必要でした。
どちらかというと、僕が相手に近づける要素が強かったです。

では、今度は自分本来の作風でVQを使ったらどうなるだろう?
完全に否定していたトイデジになぜドップリ浸かってしまったのか?
いったい自分はそれだけの魅力をVQの何に対して感じているのだろう?

そのコトを知るためにもVQ個展は外せない!と決断したワケです。

しかし、これまでの僕のHOLGA作品のキャリアの中には
ちょっと同じようには加えにくい、という感じもあり、
せっかくなので変名でやってみようというアイデアが浮かびました。

けど、結局その名前を見て僕のことだと判らないといけない・・・
そして考えた結果が「フVQ大樹」というNEWネーム(笑)
フブイキュー大樹です。これは判りやすい!?

20121116-10.jpg

タイトルは「浴びるように眠りたい」と名づけました!

これは僕がよく冗談で「寝てるとき以外ずっと眠い」と
言ってるのも理由の1つ(笑)なんですが、
VQの写しだす曖昧なビジュアルっていうのが
僕にとって「眠る前に見る夢」のような感覚があるんですね。

自分はまだ起きていて、これは夢だと判っていても
あたかも事実のように脳内で体験してしまう夢。

シュールというほど作り込まれた雰囲気ではなく、
しかし現実とあきらかに細部や状況が食い違った世界。
そういう雰囲気がVQ写真のビジュアルに合うと思うんです。

ではそのビジュアルの根源がどこにあるかというと、
僕が中学生、高校生の頃に話しは遡ります。

その頃、けっこう偏った読書に没頭していて、
特に読んでいたジャンルが「怪奇幻想文学」でした。
夢野久作とH・P・ラヴクラフトは何度も読みました。

そういう小説を読んでいて脳内に想像される風景というのが、
眠る前に見る夢=VQの写真・・・
そんな感じになっているのではないかと思ったわけです。

そう考えると、これまでの個展でも「まどろみシネマ」
昨年の3部作も随所にそういうビジュアルを使ってるじゃないかと
改めて気付かされたりもします。

だから、これまでの自分の作品と
さほど異なるものではないのかも・・・という気がしてきました。
いやもう、ここまできたらフVQ名義でやりますけど(笑)

現在の準備は、写真集の諸々が少し心配という感じで、
展示物自体はすべて出来上がってますからいちおう安全圏!
ラスト1週間は写真集制作のアレコレで振り回されそうです。
って、なんか個展のたんびにそんなこと書いてますね、汗。

具体的な制作の模様とかは来週の吹雪手帖で
ドドーンとお知らせしたいと思います!

12月11日〜16日の日程で開催いたしますので乞うご期待!!
みなさま、どうぞよろしくお願いいたします〜!
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