作家列伝2011(その26)
Date : 2011/12/24 Sat

さて、いよいよ今年の作家列伝も
ラストの作家さんをご紹介です!

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ギャラリー・アビィ作家列伝2011(その26)

○吉田泉さん(今期5回出展)

今年の「でかフォト●3」からアビィに参加の吉田さん。
独特の色合いにレタッチされた退廃的な雰囲気の作品が印象的です。
今年4月にはフォトピアギャラリーで初個展も開催。
そして、写真をやり始めてからわずか半年目で
ミオ写真奨励賞に入選したという経歴も注目です。

ーまずは自己紹介をお願いします

izumi1.jpg
(撮影/テラダマリ)

吉田泉です。大阪生まれの大阪育ちです。
作品のフンイキで、よく男の人に間違えられます(笑)


ー写真歴は?

2009年の4月にトイデジ(VQ1015entry)を買ってハマってしまい
技術的なことをもっと知りたくてフォトピア写真教室に通いました。
そしてその年の9月に知り合いのグループ展に参加して、
その時の展示物を搬出してそのままミオ写真奨励賞2009に応募しました。


ー毎年何度も応募して落選する人が大半という賞ですが、自信に繋がりましたか?

何も知らずに応募したので、ものすごく嬉しかったです。
審査員の方からは「カメラがよかったね」と・・・(笑)
写真そのものの内容より、色の組み合わせとかデザイン的なこととか
そういう面が評価されたのかなと思うので、
今にして思うとちょっとビミョーかもしれず・・・まだまだ頑張らないと!


ーミオに通ったというのに、なかなか言いますねぇ・・・(笑)
 で、アビィに参加し始めたキッカケは?

フォトピアの知り合いの方々がよく展示していたので
2009年の暮れか2010年のアタマぐらいから来てました。
吹雪さんにトイデジの写真を見てもらったこともあります!


ーそうだったんですか!その頃のことは全然覚えてません(笑)

今年4月にフォトピアで個展をすることになって、
なぜかその写真の相談をアビィでもしてみたりと・・・
それがきっかけで「でかフォト●3」に出展しました。


ーよく使うカメラは?

去年まではトイデジ(VQ1015entry)と
フィルム一眼(ニコンFG20)を使ってましたが、
今はニコンD90がすっかりメインになってます。
でもVQ1015entryは小さくて邪魔にならないので
いつも鞄に入ってます。


ー初心を覚えたカメラは大切にするのがいいですよ!
 吉田さんの作品はなんといっても独特のトーンが特長ですが・・・

印刷関係の仕事をしているので、
仕事ではフォトショップをよく使っています。
でも仕事のレタッチと作品づくりは全然違うので、
今みたいなトーンの出し方はトイデジを始めた頃に
いろんな人のブログやサイトを見て研究しました。


ーでも、ソフトの基本的な操作や色の感覚とか、そういうのは、
 何も知らずに始めた人と比べたら大きなアドバンテージですね。

それはラッキーだったと思います。作りたいことがすぐカタチにできる!

ー好きな撮影モチーフやスタイルは?

廃墟的な写真ばかりを撮ってると思われがちですが
ほんとはいろいろ撮るんですよ。明るいのとかカワイイのとかも(笑)


ーそうですよね、廃墟的なモチーフがたしかに目立ちますが、
 それはようするに「選び方」の結果ですよね?

4月の個展の打ち合わせでフォトピアの先生にいろいろな写真を見せて
個展をやるならこの方向性でやろうと選んでもらったのが
廃墟的で暗いトーンにレタッチした写真だったんです。
だから今の作風は4月の個展の時に出来上がった感じですね。


ーそれと、日常は撮らないですよね。アビィの作家さんには珍しい。

基本的にどこかへ行って撮るタイプです。
小説の表紙とか挿絵とか、そういう雰囲気の写真を撮りたいです。
1枚モノで完結して、そこにいろいろな要素が混ざるような。


ーけど、個展は1枚じゃできないですよ

そうなんです。組むのが苦手なんです。
1枚1枚の写真のトーンをそろえて作っていくような感じになります。
だから色重視・・・色のカタマリって感じで並べてるのかな・・・


ーこれからは流れも意識して選んでいけるようになるといいですね!
 それでは今年の出展作品からお気に入りを1つ!

「avi-session vol.1」の作品です。

izumi2.jpg
「記憶的迷宮/UTC+8」


これ、搬入10日前に突然吹雪さんから出展要請があって、
はじめは「無理ですー!」って断ったんですけど(笑)
コッソリつくってみたら案外アッという間に作品が出来上がって。
旅行で行ったマカオのイメージが強烈だったので、
そのイメージにあわせた色合いにレタッチしたら、けっこうハマってしまって。
作るのが楽しい作品でした!!


・・・・

写真歴2年半少々なのに、かなり濃い写真活動を歩む吉田さん。
意欲的に創作と発表に取り組み、
自分のやりたいことを追求していく姿勢から目が離せません!
なんとかしてメジャーの仲間入りをして欲しい作家さんです!

それでは、吉田さんの出展作品にご期待ください!

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というわけで、
12月16日の連載開始からこの記事をもちまして
26名の出展作家さんを全員ご紹介いたしました。

今年も作家列伝執筆にあたるインタビューを通して、
色々な作家さんの知っているようで知らなかった事に触れ、
展示を通して人と人の気持ちが繋がり、
目覚めていなかった感性が開花するに至る過程を振り返り、
僕もふたたび作家の皆さんと心を新たに接する時間となりました。

急なインタビューのお願いにお付き合い頂いた作家の方々、
そして作家列伝2011を楽しみにお読みくださった皆様、
ほんとうにありがとうございました〜!

そしてついに年末の大一番!
明日からオールスターズ戦の本番が始まります!
この1年間の集大成とも言える展覧会です。

年末のお忙しい時期の開催となりますが
みなさまのご高覧を賜りますと幸いです。

みんなで決める来年のスタア!
アビィ・オールスターズ戦を
どうぞよろしくお願い致します!

●第5回アビィ・オールスターズ戦
●2011年12月25日(日)〜12月28日(水)
●12:00〜19:00/入場無料/会期中無休
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作家列伝2011(その25)
Date : 2011/12/24 Sat

ギャラリー・アビィ作家列伝2011(その25)

○フジモトジュンコさん(今期6回出展)

junko1.jpg

いつも旅の風景を中心に展示するフジモトさん。
ずっとアビィに籠って仕事をしている僕にとっては
展示頂くたびに、旅情をくすぐられる作家さんです。
今回、4度目のオールスターズ挑戦です!

ー今年の写真活動はいかがでしたか?

コンスタントにいいペースで出展できました。
例年よりは撮ってる枚数は少なかったんですが
でもアタリも同じ割合だけ減ったわけじゃなくて・・・
セレクトが自分なりに良くなってきたような気がします。
それと、写真仲間の個展設営を手伝う機会も多くて、
そういう場を見せてもらえたのもラッキーでした!


ーいつも写真の組み合わせが面白いなぁと思います。
 今年は特に「そこへ旅に行った」という事実以外のことも
 組み写真の中に表せてもらってる感じがします!

私の写真は1枚モノよりも組み写真のほうが合ってるし、
このオールスターズの作品のような感じで
2回目の個展が開けたらなぁと思っています。
まだまだ撮りためないといけませんが・・・


ーこの写真を撮った場所、ということの説明を、
 極力省くような方向性で考えると、自分に客観性が出てきて
 うまくまとめられると思いますよ〜!
 しかし、そこでしか写せなかった物が写真にある、みたいな・・。
 それでは今期お気に入りの展示を1つあげてください。

「トイカメラ写真月間2011:セッション」の作品です。

junko2.jpg
「vacation」

昨年のフォトピアギャラリーでの初個展の続きと言うか、
そんな感じで作りました。
ハワイのように見える、日本のどこか。
ポラの写真なのも、いまや貴重で・・・


・・・・

いつもセレクトや構成を考えついてから
盤石の体勢で企画展に申し込むというフジモトさん。
みんなも期待している2度目の個展の構成が
そろそろアタマの中で仕上がってきているのかもしれませんね!

それでは、フジモトさんの出展作品にご期待ください!
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