作家列伝2009(その23)mayun*さん
Date : 2009/12/24 Thu

「ギャラリー・アビィ作家列伝2009」その23

○mayun*さん

作家がその内面に秘めた可能性を当の本人が認識できていないうちに
周囲の人が先に気付いてしまうというのはよくある事で、
mayun*さんの場合も、その潜在能力の高さを垣間見せるが故に
思わずヤキモキしてしまうファンを増やしているような、
そんなところがある作家さんです(笑)

- まずは簡単なプロフィールを

mayun.jpg
mayun*です。まゆんでもまゆでも好きなように読んで下さい。
大阪生まれの大阪育ち。永遠の19歳です(笑)


- いつもmayun*さんの作品を見ていると、
 いかにも昔からやってるっぽい巧さを感じるんですけど、
 実はそうでもないという・・・

そうです。全然ですよ〜
自分では巧いとかそういうのは考えてなくて、
楽しいからやってるんです。


- 今に至るまで、どんな紆余曲折が?

紆余曲折と言っても、カメラ歴は2年半ぐらいですよ。
いままでとくに芸術とかに興味のない生活をしていましたが
まあデジカメぐらい、写真が趣味でなくても持ってるじゃないですか。
それでたまたまいい写真が撮れたことがあって、
写真撮るのって、ちょっと面白いかも!と認識が変わりました。


- ひとりで撮ってたんですか?

カメラ雑誌でflickr(アメリカの写真共有サイト)を知って、
面白そうだから入ってみたんですが、全部英語でワケわからなかったので、
日本人でグループを作っていた方々に親切に教えてもらって、
そのご縁で2007年にグループ展で展示したのが自分のデビューです。


- その時、どんな感じでしたか?

私、写真はじめたばっかりやのにエエの?って驚きが(笑)
皆さんが、大丈夫だから!いい写真だから!って言うもので。
だから周りの人からお誘いがあるうちは、
自分で楽しくできる範囲でやってみようかな〜と。


- 箸にも棒にもかからない人にオファーはきませんから(笑)
 自信を持って続けて下さればいいと思いますよ!

その後、知り合いの方が出展していた別のギャラリーで
かじやん♪サンに出会って、アビィのことをすすめてもらい、
2008年のトイカメラ月間でアビィに初参加、という流れです。


- なるほど〜!やはり人と人の繋がりって面白いいですよね〜!
 ちなみによく使うカメラはなんでしょう?

いちばん仲がいいのはコンタックスのアリア(一眼レフ)です。
ローライ35も気に入っています。あとはホルガを使ったり。
最近ではブロニカSQ(中判一眼レフ)を勉強しています。
モノクロプリントも、ギャラリー主催の教室に通って、
今はレンタル暗室でよく焼きに行ってます。搬入のたびに(笑)


- 好きな撮影モチーフは何ですか?

基本的にスナップ写真なんですが、光に反応して撮る感じで、
どんなものを撮っているか、そのモノ自体はあまり見ていないです。


- mayun*さんの作品はトーンが印象的だと思います。

暗室作業のときは先生といろいろ相談しながら。
パソコンで仕上げるときはフォトショップで。
暗室のときは相談相手がいるので助けてもらえますが、
フォトショップはそれほど詳しくはないので
自分でできることの範囲でしか作り込めないです。
そういったテクニックの面をこれから磨いていきたいです。


- 今期の自信作を1つ挙げて下さい

さくらイロ4の作品です
mayun-pic.jpg
そもそもこの桜の写真は、その1週前に開催された
「ひかり」展用に搬入した写真の一部だったんですが、
吹雪さんに「桜の写真は来週に回しましょう」って分割されて(笑)
おかげで出展回数が2回になってオールスターに出られました(笑)


周囲の人からオファーを受けて展示している事が多いmayun*さん。
その写真の出来映えからして、期待が高まるのは当然でしょう。
そして、展示の声かけを通して繋がった「縁」を
大事にして次へ繋げていくところが素敵だな〜と思う作家さんです。

mayun*さんの今後の作品に皆さんもご期待ください!
作家列伝 > 作家列伝2009
作家列伝2009(その22)taifuさん
Date : 2009/12/24 Thu

「ギャラリー・アビィ作家列伝2009」その22

○taifuさん

今年の「夜のスケッチ4」に出展いただいたのが初アビィのtaifuさん。
夏には違和感チャンピオン決定戦に初出場で
幸か不幸か(笑)打率とMVPの二冠にいきなり輝きました(笑)

- まずは簡単なプロフィールを

taifu.jpg
taifuです。1970年生まれ。大阪出身・兵庫在住です。
作家名ですが、僕の本名の「泰夫」を中国語読みしたものです。


- 写真歴は?

小学生頃から鉄道車両などを
オリンパスペン(ハーフ)で撮影したのが最初です。
本格的に撮りだしたのは社会人になって,中古でEOS1vを購入してから。
スライドフィルムで旅行中のスナップや風景などを撮りためています。
最近は「脱・鉄道色」をめざして、フジのNATURA BLACKで
身近なところで撮影していますが、やっぱり電車は大好きです!

 
- たしかにキッカケは「鉄道写真」という方は多いですよね。
 自分が興味のあるものを撮るという、まさに写真のキホンです。
 アビィの企画展に参加したキカッケも…新幹線でしたね(笑)

そうなんです。新幹線の夜の搬送シーンを撮った写真があって、
それを「夜のスケッチ展」用に見てもらった事が
アビィさんに出展し始めたキッカケですね。


- たしかに、あれは夜にしかやりませんからね。
 初めて見た人は、マボロシでも見ているのかと驚く光景で、
 なかなか面白い写真だと感じましたよ!
 taifuさんは鉄道関連以外でも撮るんですか?

鉄道と人、鉄道と風景、旅行中に見て感動したもの、
知らない街身近なスナップ、そういうところですね。
最終的に目指すところは「ゆるーい鉄道写真」です!


- では、今期の自信作を1つ挙げて下さい

と言いつつ、鉄道の写真じゃないんですが、
「街の違和感5」のときの張り紙の写真です。

taifu-pic3.jpg
この写真でMVP賞(最多投票ネタ)をいただきました。
自分の写真であんなにたくさんの人に共感していただけのは
生まれて初めての事だったので、嬉しかったです。


実はお仕事の関係で海外と日本を行ったりきたりのtaifuさん。
海外出張中は制作活動も思うように進みませんから、
創作に与えられた時間には厳しいものがあるはずです。
しかしそれを苦にせず、積極的に展示発表するパワーを
これからも如何なく発揮していってほしい作家さんです。

taifuさんの今後の作品に皆さんもご期待ください!
作家列伝 > 作家列伝2009
作家列伝2009(その21)花谷吉幸さん
Date : 2009/12/23 Wed

「ギャラリー・アビィ作家列伝2009」その21

○花谷吉幸さん

いつもにこやかな花谷さん。
お話しをしていると、面白くていつも笑わせてもらえます。
やんちゃなオッチャンの正体やいかに?(笑)

- まずは簡単なプロフィールを

hanatani.jpg
花谷吉幸です。42歳です。堺市出身・大阪市在住です。

- かなり長いキャリアをお持ちだと思いますが?

カメラを初めて持ったのは15歳の頃です。
中学校の写真部で・・・なんですが、実はムリヤリ入部させられた部活で、
はっきり言ってその時は面白くも何ともなかったんです(笑)
それが、2005年頃なんですが、引っ越しの時に古いカメラが出てきて
気まぐれで使ってみようかと・・・
中学校以降からそれまでは、一般人的にしか写真を撮っていなかったので、
私にとってはそこからが実質的なスタートになりますね。


- そうなんですか!
 プロ向けの機材も使ってらっしゃるし、
 技法的な事もお詳しいので、意外です。

35ミリはニコンのF3、F4、F5を使ってます。
でも今はフィルムなら中判がメインで、マミヤ645を愛用しています。
デジタルならニコンD300。これも重宝しています。
あとはニコンのプロネアSとプロネア600(APS一眼レフ)も好きです。
ホルガは・・・なかなか難しいですね。勉強中です。


- アビィの企画展に参加したキカッケは?

廃墟の写真に興味があって、2007年の廃景展を観に来たのが最初で、
翌年の廃景展で初めて展示をしました。


- 好きな撮影モチーフは・・・聞くまでもないですが(笑)

旅行の写真をマミヤで撮るのも好きなんですが、
やはりなんといってもご想像どおり廃墟が好きですね。
人から遺棄された建物の寂しさを表現したいんです。
最近は廃墟でポートレイトを撮ることを模索しています。
たんに、ポートレイトの背景に廃墟を使うということではなくて、
廃墟に人を置く事で、建物の寂しさが
より強調されるのではないかと・・・思っているのですが・・・難しい


- 今期の自信作を1つ挙げて下さい

それぞれの生活2009の5月5日用に展示した写真です。
hanatani-pic.jpg
レンズに赤いフィルターを付けたマミヤ645のファインダーを
デジカメで接写して撮った写真なんです。


ひょうきんな人柄とは正反対に、写真では寂しさを表現する花谷さん。
「廃墟」という特殊かつ普遍的なモチーフをどのように料理するのか、
今後の展開を楽しみにしたい作家さんです。

花谷さんの今後の作品に皆さんもご期待ください!
作家列伝 > 作家列伝2009
作家列伝2009(その20)Youtoさん
Date : 2009/12/23 Wed

「ギャラリー・アビィ作家列伝2009」その20

○Youtoさん

今回、オールスターズ初出場のYoutoさん。
でもお付き合いは2006年のナツいろ展からと長く、
これまで何度も出展いただいています。
なのにどちらかというと、僕にとっては謎の多い作家さん。
いい機会なので、いろいろ伺ってみたいと思います。

- まずは簡単なプロフィールを

youto.jpg
Youtoです。大阪の生まれ育ちです。三十路を越えたところです。

- 今回僕が驚いたのは、1回目のオールスターをお誘いした時、
 そういうのはあまり好きじゃないんですって辞退なさったのに、
 まあその、なんでまた?(笑)

そうなんですよ。今年は自分の活動のスタートが遅かったことと、
来年から別のアートグループに参加してフォトコラージュをやるので、
今回のオールスターズをひとつの区切りにしようかなと思いまして。
あ、もちろんアビィの展示は今後も参加しますよ(笑)


- アビィの企画展に参加したキカッケは?

もともと別のギャラリーを拠点に活動していたんですが、
そこは現代美術系のところだったので、
純粋に写真だけでやってみたいなと探していたら見つけまして。


- ということは写真活動はそれ以前からですよね?

2004年の10月ぐらいが意識して撮り始めたスタートですね。
以前開設していた個人サイトの表紙用にデジカメを持ち歩いていて、
その撮影の時に路上で知り合った音楽ユニットの人たちのライブを
急に誘われて撮りにいく機会があったんです。
やってみると、暗いし、メチャメチャ難しい!
でも、暗闇に浮かび上がる雰囲気の面白い写真が撮れて、
音楽をやって表現している人の姿を見て、自分も何かしたいと。


- 「暗闇に浮かび上がる」というキーワードは
 たしかにYoutoさんの写真に繋がるルーツだと思います。
 夜を舞台に撮影されるYoutoさんの写真には
 いつも「生きる事と死」を感じるのですが。

もちろん「生と死」が一番のベースになっています。
その上にどんなことを乗せていくか、ですね。


- 夜の写真がやはり得意ですか?

そうですね。夜の街中がいちばんいいですね。
昼間に撮る事も頑張ったんですが、難しかったです。
僕の写真にとっては、昼間は余計なものが写りすぎます。


- 夜の闇に主題以外のものを消し込んで、という感じですね。
 納得の回答ありがとうございます。
 では、今期の自信作を1つ挙げて下さい

ナツいろ4の作品です。
youto-pic.jpg
「Dreaming」
夜がどうこう言ってた割には昼間の写真なんですけどね(笑)

- ここまで飛ばして真っ白にしてしまったら、
 効果としては夜の写真と変わらないから、
 逆もまた真なり、って感じですね。

自分が発表する写真に、想いや意図をキッチリ乗せること。
もちろんいちばん大事な事のはずですが、
感覚的になりすぎてつい忘れてしまいがちかもしれません。
Youtoさんの作品にはそれがいつも表されています。
現代美術の世界で揉まれた経験の賜物だと僕は感じます。

Youtoさんの今後の作品に皆さんもご期待ください!
作家列伝 > 作家列伝2009
作家列伝2009(その19)オカノアヤさん
Date : 2009/12/23 Wed

「ギャラリー・アビィ作家列伝2009」その19

○オカノアヤさん

okano.jpg

年に1回、撮影合宿だけ参加する「合宿の人」を昨年卒業し、
コンスタントに企画展へ参加し始めて2年目になるオカノさん。
今回、2回目のオールスター出場です。

- 今年はアビィ以外でも展示がありましたね。

今年前半は、いま通っている写真教室のグループ展を頑張りました。
それが終わってから、ちょっと気が緩んでしまったというか、
結局、写真があまり撮れなくなってしまって・・・


- おやおや、あまり考えすぎちゃダメですよ〜
 ウチも9月以降、企画展がほとんど無かったので、
 今回が久々の展示という作家さんが大半です。

そういう中でも、人を撮ることに興味が沸きました。

- どんなことがあったんですか?

友達の結婚式でスライドショー用に写真を集める事になって、
みんなで遊んでたときの写真を見返していると
自分的には撮ったのも忘れてたような中に
いいな〜と思える写真がたくさんあって、
実際、それですごくみんなに喜んでもらえて嬉しかったんです。
だから、自分に近しい人の写真をいろいろ撮って、
来年はアビィからスタートしたいと思います!


- 力強く宣言!ありがとうございます!
 では、今期の自信作を1つ挙げて下さい

「ひとフォト」の作品です
okano-pic.jpg
「4(3×4-1)/2」

日々の中で見逃しがちなちょっとしたことを大切に写し撮って
僕たちにキリリッと教えてくれるタイプの作家さんです。
現代社会に生きているとピュアな心はなかなか維持できませんが、
せめてそのことを忘れないようにしようと気付かされます。

オカノさんの今後の作品に皆さんもご期待ください!
作家列伝 > 作家列伝2009