作家列伝2009(その21)花谷吉幸さん
Date : 2009/12/23 Wed

「ギャラリー・アビィ作家列伝2009」その21

○花谷吉幸さん

いつもにこやかな花谷さん。
お話しをしていると、面白くていつも笑わせてもらえます。
やんちゃなオッチャンの正体やいかに?(笑)

- まずは簡単なプロフィールを

hanatani.jpg
花谷吉幸です。42歳です。堺市出身・大阪市在住です。

- かなり長いキャリアをお持ちだと思いますが?

カメラを初めて持ったのは15歳の頃です。
中学校の写真部で・・・なんですが、実はムリヤリ入部させられた部活で、
はっきり言ってその時は面白くも何ともなかったんです(笑)
それが、2005年頃なんですが、引っ越しの時に古いカメラが出てきて
気まぐれで使ってみようかと・・・
中学校以降からそれまでは、一般人的にしか写真を撮っていなかったので、
私にとってはそこからが実質的なスタートになりますね。


- そうなんですか!
 プロ向けの機材も使ってらっしゃるし、
 技法的な事もお詳しいので、意外です。

35ミリはニコンのF3、F4、F5を使ってます。
でも今はフィルムなら中判がメインで、マミヤ645を愛用しています。
デジタルならニコンD300。これも重宝しています。
あとはニコンのプロネアSとプロネア600(APS一眼レフ)も好きです。
ホルガは・・・なかなか難しいですね。勉強中です。


- アビィの企画展に参加したキカッケは?

廃墟の写真に興味があって、2007年の廃景展を観に来たのが最初で、
翌年の廃景展で初めて展示をしました。


- 好きな撮影モチーフは・・・聞くまでもないですが(笑)

旅行の写真をマミヤで撮るのも好きなんですが、
やはりなんといってもご想像どおり廃墟が好きですね。
人から遺棄された建物の寂しさを表現したいんです。
最近は廃墟でポートレイトを撮ることを模索しています。
たんに、ポートレイトの背景に廃墟を使うということではなくて、
廃墟に人を置く事で、建物の寂しさが
より強調されるのではないかと・・・思っているのですが・・・難しい


- 今期の自信作を1つ挙げて下さい

それぞれの生活2009の5月5日用に展示した写真です。
hanatani-pic.jpg
レンズに赤いフィルターを付けたマミヤ645のファインダーを
デジカメで接写して撮った写真なんです。


ひょうきんな人柄とは正反対に、写真では寂しさを表現する花谷さん。
「廃墟」という特殊かつ普遍的なモチーフをどのように料理するのか、
今後の展開を楽しみにしたい作家さんです。

花谷さんの今後の作品に皆さんもご期待ください!
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作家列伝2009(その20)Youtoさん
Date : 2009/12/23 Wed

「ギャラリー・アビィ作家列伝2009」その20

○Youtoさん

今回、オールスターズ初出場のYoutoさん。
でもお付き合いは2006年のナツいろ展からと長く、
これまで何度も出展いただいています。
なのにどちらかというと、僕にとっては謎の多い作家さん。
いい機会なので、いろいろ伺ってみたいと思います。

- まずは簡単なプロフィールを

youto.jpg
Youtoです。大阪の生まれ育ちです。三十路を越えたところです。

- 今回僕が驚いたのは、1回目のオールスターをお誘いした時、
 そういうのはあまり好きじゃないんですって辞退なさったのに、
 まあその、なんでまた?(笑)

そうなんですよ。今年は自分の活動のスタートが遅かったことと、
来年から別のアートグループに参加してフォトコラージュをやるので、
今回のオールスターズをひとつの区切りにしようかなと思いまして。
あ、もちろんアビィの展示は今後も参加しますよ(笑)


- アビィの企画展に参加したキカッケは?

もともと別のギャラリーを拠点に活動していたんですが、
そこは現代美術系のところだったので、
純粋に写真だけでやってみたいなと探していたら見つけまして。


- ということは写真活動はそれ以前からですよね?

2004年の10月ぐらいが意識して撮り始めたスタートですね。
以前開設していた個人サイトの表紙用にデジカメを持ち歩いていて、
その撮影の時に路上で知り合った音楽ユニットの人たちのライブを
急に誘われて撮りにいく機会があったんです。
やってみると、暗いし、メチャメチャ難しい!
でも、暗闇に浮かび上がる雰囲気の面白い写真が撮れて、
音楽をやって表現している人の姿を見て、自分も何かしたいと。


- 「暗闇に浮かび上がる」というキーワードは
 たしかにYoutoさんの写真に繋がるルーツだと思います。
 夜を舞台に撮影されるYoutoさんの写真には
 いつも「生きる事と死」を感じるのですが。

もちろん「生と死」が一番のベースになっています。
その上にどんなことを乗せていくか、ですね。


- 夜の写真がやはり得意ですか?

そうですね。夜の街中がいちばんいいですね。
昼間に撮る事も頑張ったんですが、難しかったです。
僕の写真にとっては、昼間は余計なものが写りすぎます。


- 夜の闇に主題以外のものを消し込んで、という感じですね。
 納得の回答ありがとうございます。
 では、今期の自信作を1つ挙げて下さい

ナツいろ4の作品です。
youto-pic.jpg
「Dreaming」
夜がどうこう言ってた割には昼間の写真なんですけどね(笑)

- ここまで飛ばして真っ白にしてしまったら、
 効果としては夜の写真と変わらないから、
 逆もまた真なり、って感じですね。

自分が発表する写真に、想いや意図をキッチリ乗せること。
もちろんいちばん大事な事のはずですが、
感覚的になりすぎてつい忘れてしまいがちかもしれません。
Youtoさんの作品にはそれがいつも表されています。
現代美術の世界で揉まれた経験の賜物だと僕は感じます。

Youtoさんの今後の作品に皆さんもご期待ください!
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作家列伝2009(その19)オカノアヤさん
Date : 2009/12/23 Wed

「ギャラリー・アビィ作家列伝2009」その19

○オカノアヤさん

okano.jpg

年に1回、撮影合宿だけ参加する「合宿の人」を昨年卒業し、
コンスタントに企画展へ参加し始めて2年目になるオカノさん。
今回、2回目のオールスター出場です。

- 今年はアビィ以外でも展示がありましたね。

今年前半は、いま通っている写真教室のグループ展を頑張りました。
それが終わってから、ちょっと気が緩んでしまったというか、
結局、写真があまり撮れなくなってしまって・・・


- おやおや、あまり考えすぎちゃダメですよ〜
 ウチも9月以降、企画展がほとんど無かったので、
 今回が久々の展示という作家さんが大半です。

そういう中でも、人を撮ることに興味が沸きました。

- どんなことがあったんですか?

友達の結婚式でスライドショー用に写真を集める事になって、
みんなで遊んでたときの写真を見返していると
自分的には撮ったのも忘れてたような中に
いいな〜と思える写真がたくさんあって、
実際、それですごくみんなに喜んでもらえて嬉しかったんです。
だから、自分に近しい人の写真をいろいろ撮って、
来年はアビィからスタートしたいと思います!


- 力強く宣言!ありがとうございます!
 では、今期の自信作を1つ挙げて下さい

「ひとフォト」の作品です
okano-pic.jpg
「4(3×4-1)/2」

日々の中で見逃しがちなちょっとしたことを大切に写し撮って
僕たちにキリリッと教えてくれるタイプの作家さんです。
現代社会に生きているとピュアな心はなかなか維持できませんが、
せめてそのことを忘れないようにしようと気付かされます。

オカノさんの今後の作品に皆さんもご期待ください!
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