吹雪手帖その105「芸術の役割」
Date : 2011/03/13 Sun

吹雪手帖その105
「芸術の役割」

金曜日の僕のテレビ出演を見た方が
何名かの方に今日ご来場いただきました。

関東・東北を襲った地震のニュースの中で、
ふと僕の出演した番組の事を思い出して
観に来ていただいたとのことでした。

気持ちが沈んでいたので、いい気分転換になった。
こんな時に、と思ったけどやっぱり来て良かった。

そう言って頂けたことが嬉しかったです。
そして、こんな時だからこそ、
そういう気持ちが大事なんだなと思います。

今週も来週も日本のあちこちで多くの展覧会が開かれます。
こんな時に自分が個展なんかやってていいのか・・・と、
悩む作家さんの声が僕のところにも多く届いています。

たしかに一作家の展示で
今の事態が何か物質的に良くなるはずはありません。

しかし、このまま皆がションボリしているだけでは
日本が本当に沈没します。

展覧会を運営するギャラリーも辛い気持ちはありますが、
作家の皆さんも、自分の作品に誇りを持って、
自分が本来するべきことに全力で取りかかって下さい。

観る人の心を癒して励ますチカラこそが
芸術の本来の役割だと感じます。
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吹雪手帖その104「2011年個展への道(4)」
Date : 2011/03/09 Wed

吹雪手帖その104
「2011年個展への道(4)」

さてさて、前回の記事から数週間が経ちました。

撮影のほうは相変わらず続いています。
いまのところ3月末か4月アタマぐらいまで撮るつもり。
撮影本数は135本目を超えました。
最終的には2300枚ぐらいになりそうです。

去年開催した「豆腐とビール」は
僕にとって過去最高に撮りまくった個展でしたが
それでも64本だったので、今回はほんとうに、
何かに取り憑かれたように撮っているのが自分でも判ります。

もともとの僕は、いかに少ない撮影枚数で、
いかにたくさん展示するかを(=当たりをドンドン出す)
自分の中で競っているような思考回路がありました。

その頃から比べると、取り組み方がけっこう変わったと思います。
「ドンドン撮って、当たりもガンガン出す」という感じ。
個展が何回でも出来そうなアタリ写真の山から
さらに身を削る思いで絞った写真を見せる・・・そんな気分です。

でも実は、昨年の夏が終わる頃までは、
何かと手間のかかるホルガを使って
こんなに激しいペースで撮っていたわけではないのです。

これにはやはり、昨年後半にあった、
僕自身の心境の変化が大きく関係しています。

ギャラリー運営前半の激戦、夏のホルガエキスポ、
撮影旅行引率などなど、いろいろと溜まった疲れが
秋になって一気に噴出し、著しく体調を崩しました。

得意の自転車通勤も、ペダルを漕ぐ事さえままならず、
それどころか自宅から最寄り駅まで徒歩10分間が歩けません。
途中でまったく動けなくなってタクシーを呼んで
アビィへ出勤せざるをえなくなるという始末・・・

秋の個展ラッシュの運営を控え、
僕がアビィを不在にする事が許されない状況もあり、
これはたんなる疲れではなさそうな気配だと感じて
病院で検査してもらうと、食道にデキモノがあると。

年齢的にたぶん違うと思うけど、
悪いものでないとは言いきれない。
そんな、よからぬことを医師から告げられて。。。。

もし悪い結果だったら、5月の個展を待たずに
この世を去ってしまう場合もある。。。

そのあたりから、撮影枚数が猛烈に増えていきました。
いま僕が生きて目にしているこの光景を残さなければと・・・。

そのあと精密検査をしたのですが、
それがちょうど39歳の誕生日だったことも
なおさら僕を掻き立てることになったのだと思います。

精密検査の結果は、幸いにして最悪のコトを免れ、
いま、身体の中から心配事は去って、
毎日いつも疲れ気味(笑)なのを除けば、おかげさまで健康です。

お酒もほぼ飲まなくなって、体重も少々減ってしまいましたが、
「写真をするということは自分が生きている事そのもの」だと
あの時に感じた気持ちは心に残り続け、
そしてこれからも強く僕を動かしていくのです。

そんな心境の変化が、今度の個展の写真たちにも
少々垣間見えてしまうかもしれません。
でもそれが、新しいスタートになるのだと感じています。

20110309.jpg

では。
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吹雪手帖その103「それぞれの生活2011」まもなく最初の撮影!
Date : 2011/03/02 Wed

吹雪手帖その103
「それぞれの生活2011」まもなく最初の撮影!

6th.jpg

みなさま、こんにちは!
アビィ代表の吹雪大樹です〜!(知ってるって)

さてさて、アビィの周年記念でお馴染みの「それぞれの生活展」!!

最初の撮影日3月3日(木)が近づいてきました!
今日の深夜、日付が変わって0時から
23時59分までが撮影タイムですよ〜!

デジカメの方はカメラの時計合わせを忘れずに!
友達と撮り合いする時も時間が食い違ってるとややこしいです。
フィルムカメラで日付時刻を写し込む人はなおさらチェック!
バッテリーも予備を!カメラ忘れたらケータイでも!
時間が判らない時はテキトーに!(笑)

撮影のコツは「一日中まんべんなく撮る」のが秘訣!

何かの時間に集中して撮ると他の人とシンクロしずらくなります!
ゴハン食べたとか買い物したとか今から電車に乗るとか、
ようするにツイッターに載せるような写真です。
それ活はそれを昔からやってるんです。スゴイ!

過去のシンクロ例としましては、
同じ時間に東京と大阪でうどんを食べている、とか
違う人が時間差で同じ場所を撮影した、とか
沈む夕日を地理的に離れた場所で撮りあっている・・・など、
奇跡のシンクロが続出しております!

いまや全国各地から写真が集まるようになった「それ活」!
天気の違いがあるのはもちろんのこと、
夕暮れが始まる時間も地域によって異なる事に気付いたり、
桜の時期に北海道は雪が積もっていたり、
何気ない写真が集まる事で、改めて知ることが毎年あります!

ちなみにツイッターのハッシュタグは #sorekatsu2011
撮影実況をドシドシとツイートして
おおいに盛り上げて下さいませ!

ホームページ上から正式にお申し込みでない方は
案内DMにお名前を載せる関係上、
4月11日までにお申し込みをお願い致します〜
(募集自体は5月15日までとなります)

出展要項とお申し込みはこちら→ http://g-avi.com/6th.htm

早めに申し込んでいただければ吹雪大樹が安心しますので、
とっととお願いします(笑)

それではみなさま、どうぞよろしくお願い致します〜!
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吹雪手帖その102「2011年個展への道(3)」
Date : 2011/02/16 Wed

吹雪手帖その102
「2011年個展への道(3)」

吹雪大樹写真展「ユージュアル_エブリデイ」の進捗は、
現在もなお撮影とスキャンを続行中。。。

 >撮影したフィルム:125本(2000カット)
 >スキャンしたネガ:112本

普通の人ならデジカメでも1年かかって撮らない枚数に(笑)
もちろんまだまだ増えます(汗)

今までの個展と今回が大きく違うところは、
いままでやらなかった「645判・横位置」で撮っているということです。

20110216-1.jpg

2006年の個展「素晴らしき世界」から
僕はホルガのスタンダードである6x6判をやめて
645判縦位置での制作に専念しています。

645判で撮る理由は書き始めると長いのですが、
いちばんの目的は「ホルガ特有のノスタルジック感の軽減」です。

ホルガレンズの特長である周辺のボケ・流れ・ケラレが
6x6判だと顕著に現れすぎるのがイヤで、
645判にして両サイドを削ってしまおうということなのです。

「じゃあ、なんでホルガを使うの?」ということなんですが、
ホルガ写真に共通した「なにか懐かしい感じ」という
一方通行なイメージを自分の作品から拭い去るための方法なんです。

もちろん645判にしてもけっこうレンズの特長が残ります。

でも、ホルガの645判はカメラを正位置で構えると、
(多くの中判カメラがそうであるように)縦位置の写真になります。

人間の眼というのは左右の方向には注意がいきやすいですが
上下の方向にはさほどそれが働きません。

そのため、ホルガレンズの特長ばかりが目立つことなく、
しかし隠し味的に、後から効くボディブロー的に、
ホルガであることが必要である写真になります。

もちろんこれまでも645判の横位置で撮った事もありますが、
左右に現れる「ノスタルジック感」が気になって全部ボツ。
縦位置の写真と雰囲気や空気感が合わないんですよね。

そういった理由で昨年の個展では横位置の質問があっても
「それはやらない」と言っていたのですが、この変わり様(笑)

実は今までさんざん縦位置で作品を発表していてナンですが、
僕、元は映像制作の人間なのでホントは縦位置が苦手なんです。
当たり前ですがテレビや映画は横位置ばっかり(笑)
横位置の世界で基礎を考えてきたので縦はどうも・・・なんです。

映画は作者が決めた時間ごとに1つ1つのカットが流れ去ります。
1つのカットの中で注視させたいものは多く盛り込めない。
その代わりに、次々とカットを変えて観客に判断させます。

しかし映画のようにたくさんのカットを
写真集や写真展で使うわけにはいかないし、
そもそも写真を見る時間軸は観客が決めることなのです。
10枚を10秒間で見てもいいし、10分間で見てもいい。

なので、縦位置よりも断定感の薄い、
客観的に見てもらえる横位置の世界で、
観る人の思考をじっくりと張り巡らせてもらえたら・・・

そういう画作りを心がけ、構図にも注意し、
左右に現れるボケや流れに気よつけつつ。。。

ノスタルジックに丸々おんぶされた写真を撮らぬよう注意して
日々作品撮影に励んでおります。

懐かしい雰囲気の写真を撮りたいとか、
ホルガの効果で現在を過去のように見せたいとか、
もう僕はそういうことがしたいんじゃなくて、
ホルガで今の自分が生きている事を撮って、
そこから自分のストーリーを表したい。

もちろん、どう感じるかは観る人が決めることであるわけですが。
実際、去年までの作品と、表面的な見た目はそんなに変わらないかもしれない。
けど、僕はそう思って作りたいな、、、と。

20110216-2.jpg

撮影は続行中ですが、セレクトとレタッチも並行して進めています。
去年の秋に、僕の身に降り掛かった災いのような事も
「ユージュアル_エブリデイ」の世界に影響を与えた気がします。

そのあたりは次回にでも。。。
吹雪手帖 > 2011年個展への道
吹雪手帖その101「2011年個展への道(2)」
Date : 2011/02/02 Wed

吹雪手帖その101
「2011年個展への道(2)」

久々の吹雪手帖&個展への道です〜
前回の掲載が11月5日でしたので、
なんやかんやであれから三ヶ月ほど経とうとしております・・・

吹雪大樹写真展「ユージュアル_エブリデイ」の制作状況ですが、
その後も地道に作業や撮影を続けていますよ〜!

まず、2006年の個展「素晴らしき世界」から
苦楽を共にしてきたMyホルガ(5代目の愛機)が
とうとうシャッター不調でご臨終・・・

しかしみなさんもご存知の通り、ホルガの写りにはけっこう個体差があります。
制作の途中の段階でカメラを替えてしまうのは悪い影響も・・・
ということで・・・

20110202-2.jpg

壊れたホルガからレンズの部分を取り外し、
新しいホルガに移植しました!これで写りに変化はありません。

で、これが僕のNEWホルガ!

20110202-3.jpg

本体を新しくするにあたって、
ストロボ内蔵だったのを、ストロボなしのタイプに変え、
小型軽量外付けストロボのヒカル小町を取り付けました。
これで内蔵ストロボの問題であった光量不足を多少補えます。
(内蔵ストロボの公称はGN10ですが、たぶんもっと小さい)

また、僕のツイッターのほうではボチボチ書いているのですが、
今回の個展は645フォーマット横位置で制作しているため、
カメラを縦向きに構えても撮影しやすいように木製グリップをつけてあります。

いろいろ外付けパーツをくっつけたせいで、
なんだか電人ザボーガーみたいになってしまいましたが、
これだけゴツくても全然軽くてヘッチャラです。さすがホルガ(笑)

撮影のほうは、今年に入ってからペースを緩くしていますが、
昨年の夏から年末にかけては、おおよそ1週間に5本ぐらいのペースで
やたらめったら撮りまくっておりました。

この写真は、ある時の現像待ちフィルムたち。
20110202-4.jpg
個展用に撮った全部のフィルムではないんですよ。
これでも全体のほんの一部です。

フィルム代や現像代もかなり大変ですし、
こんなに撮ったって全部が展示できるわけではありません。

しかし、僕のように「日常で」撮って、
「虚構を組み立てる」タイプの制作スタイルというのは
「自分が何かを感じたとき」を「たくさん撮る」ことが
やはりとても大事だと思うのです。

昨年の個展「豆腐とビール」
でも64ロールを撮影しましたが、
今回はそれを軽く上回って、現段階でロール101までいきました。
その他に未現像のフィルムがまだたくさん控えていますが(汗)
それでも3月ぐらいまでは撮り続けるつもりです。

今までの取り組みでは見えて来なかった事が
この大量撮影の果てに、必ず僕の目の前に現れると信じています。

しかし、日々の業務や昨年秋の体調不良などが重なって、
こんなに撮りまくっているのに、2010年末の時点で
現像済みフィルム90ロールほどがスキャンできないまま年越しという事態に・・・

90本x16コマ=1440カットです。
これはなにか手を打たないと・・・
(しかもスキャン待ちネガは刻々と増えていくのです)

というわけで、スキャン作業の効率アップを目指す事にしました。

いま僕が使っているスキャナはEPSONのGT-X900です。
8x10フィルムまで取り込める上位機種なんですが、
付属のフィルムホルダーの使い勝手が芳しくなく、
昔のスキャナで使っていたホルダーを使っていたのですが、
これが1コマスキャンするたびにセッティングが必要で
たいへん効率が悪いわけです。

なので、自分で使い勝手の良いフィルムホルダーを作りました!

じゃーん!
20110202-5.jpg
といっても、厚紙で作っただけの簡易ホルダーです(笑)
しかし、スキャンのピント調整などいろいろ考慮して作ってあります。
特長はスリーブが3列一度にセットできるところ。

20110202-6.jpg

いちど全体をプレスキャンして、各コマごとにトーン調節を行い、
あとはバッチスキャンをかければ、相当な時間短縮になります。

これが予想以上に便利でカンタンでした。
今年になってから、家にいる間のちょっとした空き時間に
1本、2本とスキャンをコツコツ続けてゆき、
90本あった未スキャンネガが現段階で残り3本になりました!

撮るだけ撮りまくって、それで結局、画にできなかったら
本末転倒になるところでしたが、なんとかなりました。

いまは撮影と並行してセレクトに取りかかっている所です。
今回は昨年のような明確なストーリーはありませんが、
やはり全体でドドっと感じてもらうような内容です。

いつものようなフワッと優しい写真ばかりではなく、
むしろ今年の個展用にはそういう写真をあまり撮っていないので
近年の作品と比べるとやや重い内容になるかもしれませんが、
それでもやっぱり落としどころは・・・ってカンジですかね〜

僕は映画を作っていたころも、現場で撮影している時よりかは、
最後の仕上げの編集作業がいちばん大好きだったので、
個展に向けてこれからどんな「ウソ」を組み立てていけるのか楽しみです。

20110202-1.jpg

頑張ります〜!
吹雪手帖 > 2011年個展への道