●開催にあたって
「豆腐とビール」の晩酌・・・とりたてて特別でもないありふれたメニューです。しかし、一日の終わりを締めくくる晩酌でそれを口にする時、何とも言えないホッとした気持ちを感じてしまうものではないでしょうか。
そして「豆腐とビール」という高級でも何でもない、ごくごくありふれたモノだからこそ毎日続けていても飽きはしないのです・・・
仕事に追われる暮らしが惰性のように積み重なって流れては消える現代社会において、日々のちょっとしたハッピーなことに気づく心の余裕が大切である事を、毎日の生活風景の中から何気ないけれど大切な瞬間を捉えた「豆腐とビールのような写真」から気づいて欲しいというメッセージを込めて今回のタイトルを付けました。
そして本展は、手ブレ・ピンボケ・光線漏れなどの偶然性ばかりがアピールされるトイカメラ写真の世界において、それらを排除しアート作品へ昇華することを目指し作者が取り組んでいる写真表現の集大成とも言える展示となります。
大小さまざまのカラープリントを78枚展示します。
|