作家列伝2009(その14)オオタヨシコさん
Date : 2009/12/21 Mon

「ギャラリー・アビィ作家列伝2009」その14

○オオタヨシコさん

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いつも活発で元気そうな印象とは裏腹に、
作品集に添えられたコトバで人をドキッさせるオオタさん。
自ら「妄想劇場」と呼ぶ独特の世界観は
最近ちょっと鳴りを潜めた感じもしますが
パッと見てオオタさんの作品だと判る、激しい色使いは健在のようです!

- 2回目のオールスター出場となりますが、今年の総括と来年の抱負を!

今年はあまり出展できなかったので
来年はマイペースに企画展などに参加したいと思います!


- では今期のアビィでの自信作を1つ挙げて下さい

第2回オールスターズ戦の作品です
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「Girly POP LIFE」
これ、なんだかんだで1年前のなんですけども・・・(笑)
今回の作品もこういった色使いで出展してみます!


今期のオオタさんは2回の出展にとどまりましたが、
他ギャラリーでの出展作品も含めて考えると、
「ホルガエキスポ2009」での作品がもっとも印象的でした。
以前の妄想劇場のような雰囲気から抜け出して、
1つ1つのコトバに芯の通った力強さが息づいています。
この心境の変化を今後の制作にぜひ反映させ欲しいと感じます。

オオタさんの今後の作品に皆さんもご期待ください!
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作家列伝2009(その13)西田知生さん
Date : 2009/12/21 Mon

「ギャラリー・アビィ作家列伝2009」その13

○西田知生さん

西田さんはアビィ初期の2005年「廃景2」が企画展初参加でした。
そのあと、展示を観にはいつもお越しいただいていましたが
出展のほうは長〜いブランクがありまして、
昨年の「夕暮れイロ」からトントン拍子で4回参加くださいました。
ふだんはナダールが拠点のモノクロ普及委員会に所属して
印象的なモノクロプリント作品を発表なさっています。

- まずは簡単なプロフィールを

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西田知生です。大阪の生まれ育ちです。
写真は8年ほどやっています。


- アビィの企画展に参加したキカッケは?

廃墟写真展に興味があったからです。
自分の名刺にも使っているのですが、
九州にある志免炭坑の写真を発表してみたくて。


- よく使うカメラは?

作品用、撮影目的で外出するときは必ずCONTAX G2を持って行きます。
レンズはBiogon21mmがメインです。 
ほかに、1日1〜3枚程度のノルマで気に入った景色を撮る為に
ハーフ判の一眼レフ・PEN-Fを使っています。
また、ちょっとしたもの、枚数気にせず何でも撮れる、
記録、ブログネタ集め、そんなふうなサブカメラ的にGRDを使っています。


- 使い分けがハッキリしていて面白いですね。
 カメラに振り回されない感じになるから、いい方法です。
 では、好きな撮影モチーフは何ですか?

木の根っことか、植物で覆われた朽ちた人工物(廃墟)とか。

- モノクロで森を撮ってらっしゃる写真を
 そういえばナダールで何度か拝見したように思います。
 自然と人工物が得意というか、そんな感じがしますね〜
 では、今期の自信作を1つ挙げて下さい

黒白寫眞展●四の作品です。
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「30 35」
モノクロで全紙サイズに初チャレンジした作品なので。

カラーでもモノクロでも、
いつも丁寧に作られた作品を発表する西田さん。
しかし、被写体と大胆に向き合う印象もあり、
緩急の付け方が絶妙な作家さんだと感じます。

西田さんの今後の作品に皆さんもご期待ください!
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作家列伝2009(その12)緒方貴文さん
Date : 2009/12/20 Sun

「ギャラリー・アビィ作家列伝2009」その12

○緒方貴文さん

緒方さんは2008年の「トイカメラの世界展5」から参加いただいています。
20代〜40代の作家さんが中心のギャラリー・アビィですが、
緒方さんはそれよりもちょっと上の50代。
遊び心満点にトイカメラを使いつつも、
ちょっとテリブルな視点もある作品が独特です。

- まずは簡単なプロフィールを

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緒方貴文です。徳島出身・兵庫在住。54歳です。

- 写真歴は?

キャリアが長そうに見られますが、実はまだ5年ぐらいなんです。
それまで趣味で写真とかはぜんぜんやってなかったのですが、
ある日、デジタル一眼レフを見て気になって・・・
そこからメーカー系のフォトクラブに入って活動しています。


- アビィの企画展に参加したキカッケは?

いつもデジタル一眼レフのようなカッチリしたカメラを使う半面、
チープなカメラも使ってみたいという欲求があったところに、
雑誌で吹雪さんの記事を読んで、トイカメラの展示を知りました。
最初に参加した「トイカメラの世界展5」は、
1枚1000円で参加でき気軽だったので弾みがつきました。 
その次はトイカメラ月間でホルガとロモの作品を出展しました。


- アビィではほとんどホルガかロモで出展いただいてますが、
  いちどだけ一眼レフでの出展もありましたね。

いまはデジタルとトイカメラを使い分けて撮っていますが、
今度のオールスターはデジタルでの作品を展示するつもりです。

 
- 今期の自信作を1つ挙げて下さい

「トイカメラ写真月間2009」の作品です。
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「躁と鬱」

実は「カメラ日和」でも作品が掲載されたことのある緒方さん。
最近写真を始められたという事もあって、50代っぽくない感性の、
むしろ若い人が撮ってきたかのような写真を見せてくれます。
フィルム作品ではクロスプロセスを多用して
独特な世界観をより増幅させるテクニックも見逃せません。

緒方さんの今後の作品に皆さんもご期待ください!
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作家列伝2009(その11)藤本勝己さん
Date : 2009/12/20 Sun

「ギャラリー・アビィ作家列伝2009」その11

○藤本勝己さん

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「固いクッキー」でお馴染みの藤本さん。
丁寧なモノクロプリントと自分で作った額縁で、
いつも存在感のある作品をつくる名人です。
そしていろいろなギャラリーを巡って身に付いた
「写真を見る目」も相当なものです。
その作者本人すら気付いていない核心に迫る事も多々あります。
藤本さんから感想メモをもらった作家さんも多いと思います!

- 2回目のオールスター出場となりますが、今年の総括と来年の抱負を!

今年はいろいろあって思うように撮れませんでした。
来年からは本格的に動き出したいですね。
いつものモノクロプリント以外にも、
ホルガでのカラー写真にも取り組んでいきたいです。
テーマはいつでも「ドキドキ」と「わくわく」ですね。
これは今後も変わらずに大事にしていきたい事です。


- 実は来年、すでに個展の予定が・・・

そうなんです。アビィさんではないんですが、
日本橋の亜蛮人というギャラリーで7月に個展をします。
写真プラスアルファの展示になりそうです。
もちろん、オールスターズ戦で上位に入ったら
アビィでも個展やりますよ!


- 今期の自信作を1つ挙げて下さい

企画展ではないんですが、グループ展「DUE」に出展した作品です。
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「こども雑貨店(カメラ型額縁を製作)」

自分の作品を飾るための額縁まで自分で作る藤本さん。
写真を飾るために必要なものを自作することも表現のうちと考えるのは、
ジャンルにこだわらずいろいろな美術展を見て歩いてきたからこそ
最終的に得られた結論なのだと感じます。

藤本さんの今後の作品に皆さんもご期待ください!
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作家列伝2009(その10)山田タカオさん
Date : 2009/12/20 Sun

「ギャラリー・アビィ作家列伝2009」その10

○山田タカオさん

センスというのは、方法論を学んで実践する事で
誰しもが一定のレベルまで到達できる感覚だと思います。
しかしその上を目指すために必要な「才能」は
後天的な努力ではなかなか達する事の出来ない領域です。

山田さんは、その「才能」があると、
僕が間違いなく感じる作家さんのひとりです。

- まずは簡単なプロフィールを

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山田タカオです。兵庫県の生まれ育ちで、もうすぐ25歳です。
アビィには3月末の「X-PROCESS展」から参加しました。


- あれは「度肝を抜かれる」という言葉が相応しい作品でした。
 並々ならぬ才能を感じますが、写真は長くやっておられるのですか?

実はまだ撮り始めて2年ほどです。2007年にホルガを買ったのが最初です。
普通じゃない面白い写真が撮れると聞いて、興味がわいて買ったんですが、
使ってみると案外普通の写真でつまらない・・・
その時、普通の写真屋に現像を出してたので、
プリントが当たり前だからか面白くないのかもと思い、
梅田ロフトのトイカメラフェアーで教えてもらった
西宮のFRAME*さん(写真店)に行きました。


- アビィ出展のキッカケは?

そのころ雑誌で読んだクロスプロセスの色調に興味があり、
一般のお店じゃ受け付けてくれない処理ですけど、
FRAME*さんならやってくれるということもあって行ったんですね。
そしたらそこで、アビィのクロスプロセス展のフライヤーを勧めてもらって、
じゃあこのさいだから写真展に参加してみようと!


- 思い切ってもらえてよかったです。
 僕にとってもほんとにいい出会いです。FRAME*さんにも感謝!
 それにしても、あの独特の写真を撮っているカメラは何ですか?

最初の頃はホルガが多かったですが、
いまはトイデジのVQ1005の出番がいちばん多いです。
スナップや記録用にはナチュラも使いますが、
やっぱりVQ1005がいちばん楽しいです。


- 山田さんの作品の色調やトーンは如何にして・・・

カメラそのものの写り方もありますが、後からパソコンで画像補正をして、
自分の世界観を作品に加える作業をしています。
人の感情を動かしたいっていうのが自分の表現の根底にあって・・・
そのチカラが写真にはあると思うんです。


- それからタイトルの付け方のセンスが抜群です。

タイトルを決めるのにもすごくチカラを入れます。
強い写真に強いタイトルでダブルパンチで挑みたい。
辞書でいろいろな言葉を調べて、紙に筆ペンで書いて
そこからいつも決めています。


- 筆ペンですか?

筆ペンです(笑)

- 今期の自信作を1つ挙げて下さい

トイカメラ写真月間の作品です。
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「衝動」

タイル状に敷き詰められたL判サイズの写真。
心を鷲掴みにされるようなドッキリするタイトル。
これまで3回の出展回数ながら強く印象に残る作家さんです。
漠然とではなく、確信を持って作品づくりをするところに
彼の才能の奥深さを感じてしまいます。

山田さんの今後の作品に皆さんもご期待ください!
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