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吹雪手帖その134「2012年個展への道(8)」
Date : 2012/06/06 Wed

吹雪手帖その134
「2012年個展への道(8)」

20120606.jpg

すっかり日にちが経ってしまいましたが
5月13日で個展「焦げる風景」が無事終了しました。

2週間で268名の方々にご覧頂きました。
大型連休などでお忙しいところ、
たくさんのご来場ありがとうございました!

そして写真集をお買い上げくださった皆さまにも
改めて御礼申し上げますー!

もー、個展のあとが忙しくって忙しくって!

上半期一番の大仕事「それ活」も
おかげさまで無事に終わりまして、
個展のコトを振り返る余裕がやっとこさ出来ました。

まー、その前に、去年の個展3部作も
自分の中でまだまだ消化が終わってない気もします。
なんせ1年間で正味4回も個展した具合なので
(5月、8月、12月、5月・・・)
そりゃ忙しかったか・・・

でもそんなぐらいでヒーヒー言ってたら
上には上がいますので(帝塚山の人とか、笑)
もっと高いステージを目指せるように
いろいろな事柄において体力をつけなければと思います。

で、さて、「焦げる風景」のことです。

昔から僕の作品を見てもらってる方には
たぶん懐かしい感じがする作風に見えただろうし、
ここ2、3年の作品から見てもらっている方には
去年の3部作を経て新境地開拓!という感じだろうし・・・

僕が主題としていなかった
「エロい」という評判が先行してしまったので、
受け取られ方は様々な具合でしたが、観る人それぞれに
興味を感じてもらえるポイントがたくさんあったようで、
そういうモノを作れたコトが嬉しかったです。

ま、期待してもらっていた味付けとちょっと違っていたにしても、
出てきた料理に文句はつかなかったような気がします。

でもそれは言い換えると
ちょっと平凡な出来映えだったのかもしれないですが・・・

南船場の写真魔人の面々には
「今まででいちばん写真に近づいた」と言われました。

僕がこれまで作品の根本としていた
明確な流れやストーリーをやめて、
映画のように作る写真ではなく、
写真を写真として展示したからだと思います。

なので、2006年から自分の写真表現として取り組んできたことを、
全部白紙にしてやり直してしまったことになるのですが、
このシリーズに関しては、素材の物量に起因する労力以外は、
創りだす事自体になんの苦労も感じず、
むしろたいへん楽しく気持ちよく
自信を持って取り組むことができるようです。

それがいいことなのか悪いことなのか、
もう先が見えてしまったのか、まだなんとも言えませんが、
しばらくこの世界を追究していかねばと思います。

デジタルホルガの普及?も、この個展の途中から、
いろいろな人が取り組みはじめたハナシを多方面から伺いまして、
なんにせよ人に影響を与えられたことは素直に嬉しいと思います。

でも、ホルガが便利になったと思うか?
デジカメが不便になったと思うか?

もともと何に取り組んでいたかで
飽きられ方がぜんぜん違うと思いますし、
何かしらのレタッチをすることが前提の世界になると思うので、
使い続けられる人は少ないかもしれません。
そしてそれは、フィルムホルガでも同じ事ですね。

けれど、ホルガを使い続けて生き残った人には
自分にしか描けない世界を見せてくれる確約があります。
そこはデジタルホルガでも変わらないことだと感じます。

というようなわけで、自分にとっての
「デジタルホルガとフィルムのホルガの使い分け」が
ハッキリ判りました。

ここ最近の写真表現の延長線上はデジタルホルガで進め、
そしてノスタルジィと幻想を追究するのがフィルムホルガ、
そんな感じなんじゃないかと思います。

実はフィルムホルガでの撮影も先日から再開し、
まあなんて気楽なカメラなのかしらと惚れ直しているところです。
あー、我ながらアマノジャクですねぇ(笑)

次の個展は年末です。
12月11日〜16日の予定です。

内容は未定。ホルガかもしれないし、
そうではないかもしれません。
やっぱりやらないかもしれません。

とにかく、この個展を経験して、
自分が取り組むべき3つのコトを改めて認識しました。
フィルムホルガ、デジタルホルガ、そして、アレ。

やっぱり、誰かのためじゃなくて、
まず自分のためにするのが芸術なのではないかと。

それが結果的に誰かのためになったらいいんだろうな・・
最近そう思います。
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