作家列伝2009(その7)No.2323さん

「ギャラリー・アビィ作家列伝2009」その7
○No.2323さん
ご本人の明るく人懐っこいキャラクターとは対照的に、
どこか陰のある作品をいつも発表いただいているNo.2323さん。
その根源は絶対的少数派である「110カメラ」を
創作の友にしているからではないかと思うのですが、真相はいかに!?
あ、ちなみにNo.2323は「ナンバーフミフミ」とお読みください(笑)
– まずは簡単なプロフィールを

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No.2323です。27歳です。
神奈川県で生まれましたが、ほとんど滋賀で育ちました(笑)

– 写真歴は?
2005年に勤めていた会社を辞めてヒマだった時に、
ケータイのカメラで風景をスナップ的に撮り始めたのが最初です。
それまで芸術とかはスルーしてて。むしろ体育会系です。
でも、写真を撮ることがやたら楽しく感じました。
2006年に110フィルムを使うイキモノカメラシリーズを買って、
そのあとはホルガやらポラやら、トイカメラに手を出しまして。

- アビィの企画展に参加したキカッケは?
2006年にナダールへホルガエキスポを観に行き、
2007年にはホルガジャンボリーを観に来たのが最初ですが、
吹雪さんの事も何も知りませんでした(笑)
2008年の春にカメラ雑誌「snap!」の吹雪さんのインタビューを見て
「オレが行った事あるギャラリーの人だっ!」って思い出して、
夏に「110テン」があるというので1年ぶりぐらいに観に行って、
あとは吹雪さんに口説かれて年の瀬の「夕暮れイロ」に出展しました。

– そうそう、見せてもらったアルバムがすごくいい写真ばかりで。
 特に110カメラの写真が衝撃的だったんですよね~
 そりゃ口説きもしますって(笑)
110カメラはほんとに最初は何も写らなくて・・・
でも写ってりゃラッキーぐらいの気持ちで取り組んだら面白くなりました。
たまにいいのが撮れるとすごくカンゲキしたり(笑)
夕暮れイロに出展した写真が撮れたのも展示デビューしたキッカケですね。
でも110フィルムは現実問題として、
すでに生産も終了して、現像サービスもあと1年ちょっとぐらい・・・
今は次に変わるものを模索しているところです。

- 好きな撮影モチーフは何ですか?
撮りにいくとき、一日の最初に「コレ」って決めるんですけど、
結局違うものを撮っていたりで・・・まあ、こだわりはない(笑)
とにかく何でもいいからスナップ写真が好きってことですね。
やりたいことはたくさんあります。まだまだやり足りていないです。

- 今期の自信作を1つ挙げて下さい
110カメラなら「トイカメラ写真月間」の作品です。

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「110シンボル」
110フィルムの次に変わるものとして模索しているのが
ホルガ+35ミリフィルムアダプターの写真です。
その写真の中では「ナツいろ4」の作品が好きです。


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「ナツと繋がらない僕の欠片」
いつもはるばる滋賀から出展いただいているNo.2323さん。
いっけんイマドキの若者といった感じに見えますが、
世の中を見渡すまなざしは、実はなかなか鍛えられているようです。
夕暮れ、陰、ノイズ、反射、残像、そんな世界観の写真たちは
作者本人の生い立ちをなにか深く知りたくなるような魅力に溢れています。
No.2323さんの今後の作品に皆さんもご期待ください!