作家列伝2008/藤本勝己さん・asakoさん・sariさん

*吹雪手帖その46~53において掲載した
 作家列伝2008をあらためてカテゴリ分けした記事です。
「ギャラリー・アビィ作家列伝2008」
 ~ 藤本勝己さん・asakoさん・sariさん ~
さて!どんどんご紹介していきますヨ!
本日も楽しんで下さい~


○藤本勝己さん

fjimotok.jpg
ナダールやアビィで時々差し入れられている「固いクッキー」ご存知ですか?
あの美味しいクッキーは藤本さんが作っています。
藤本さんはクッキーも焼きますが写真も焼きます。
ご自宅の暗室で焼かれたプリントもなかなかの巧さです。
他者が一見しただけではすぐに判らないような
細かい部分まで考え抜かれた世界観にはいつも感心します。
– まずは簡単なプロフィールを

藤本勝己・1968年生まれ。
大阪生まれの大阪育ちです。

– 写真歴は?

まじめにやりだしたのはここ数年ですね。
人に頼まれて結婚式の写真とかはよく撮っていたのですが、
近鉄文化サロンでナダールの林オーナーが講師をしていた
モノクロプリント教室に通ったのが一番のキッカケです。

– なぜモノクロプリントを?

もともと自分でモノを作るのが好きだったので、
イチから自分の手で創り出せるモノクロプリントに興味があって。
展示に使う額縁なんかもギャラリーの雰囲気に合うようなものを
自分で手作りしてしまう事もあります。

– プリントのこだわりとかはありますか?
 いつもハイキーなトーンのプリントが印象的ですが。

特にプリントのこだわりはありませんが、
僕が撮る写真にはバライタ紙にプリントした質感が
いちばん合ってるように思います。

– 好きな撮影モチーフは何ですか?

ドキドキするもの
わくわくするもの

– 奥の深い答えが出てきました!
 あまり深くは聞かないでおきましょう。ほんとに、いいコトバです。

自分が大切に思っているものを丁寧に撮っていきたいですね。
この「丁寧」っていう部分を表現するためには
バライタ紙でプリントしたほうが表現しやすいかなって僕は思います。

– よく使うカメラは?

オリンパスOM-4、コンタックスT3、ミノルタαの3台です。
撮影に出る時の機材は少ない方がいいので、
その時に撮るものや撮りたい画角を想定して
手持ちのレンズとの兼ね合い等でカメラを決めます。

– なかなか綿密ですね。僕はホルガなんで選ぶ余地ナシです(笑)
 では、今期の自信作を1つ挙げて下さい

fjumotokpic.jpg
続々●黒白冩眞展の作品
藤本さんは「写真の見方」というものもよく理解していると思います。
時間があればいろいろなギャラリーを巡って
目にした作品の多くに感想を残す事も欠かしません。
ナダールやアビィで展示をしたことがある人なら
藤本さんからの感想の1枚や2枚、必ず持っているはずです。
他人の作品を自分の目で見て自分の言葉で感想を残す。
けして足跡付けではないこの作業が結果的に
自分の作品を産み出す時に役立つのだと、僕は感じます。
藤本さんの作品に今後もご期待ください!


○asakoさん

asako.jpg
いつも女性のポートレイトを企画展テーマに絡めるasakoさんは
今年9月に個展「secret garden」を開催して頂いたばかり。
個展が終わった後もすぐさま次のテーマを模索しつつ
精力的に撮影を続けていらっしゃいます。
– まずは簡単なプロフィールを

asakoです。兵庫県に住んでいます。

– 写真歴は?

8年ほどになります。
旅行が趣味で、旅行の写真を撮るために一眼レフを買ったのが最初です。
そのうちに人や花の写真を撮る事に興味を持ち、
もっと写真が巧くなりたいと思い、2003年に「須田塾」へ参加しました。

– 須田塾と言えば写真家の須田一政氏が主宰する
 かなりハードな塾だとお聞きしていますが・・・

月1回というペースの教室なので、仕事をしながらでも充分通えそうだ、
という理由だけで最初は選んだのですが、
もうビシビシ厳しくやられて大変でした!

– そうですよね。いきなり須田塾は度胸がありますが
 すばらしい経験ができたのではないですか?

なんとか半年の期間をやり切って卒業し、
その後は自分でいろいろ考えながら録り続けていたのですが
やっぱり自分の写真はこのままで良いのだろうかと・・・
須田塾でもう1回揉まれてみようと思って2007年に再度入塾しました。

– もう1度行っちゃう所がスゴイですね。
 asakoさんが創作活動に取り組むひたむきな姿勢が伺えます。
 9月の「secret garden」はその中で生まれたんですよね。

そうです。一人で撮っている期間の中でまとめた作品が
須田先生にたいへん高い評価を受け、個展開催に繋がりました。

– アビィ企画展に参加し始めていただいたのは
 須田塾を卒業して、再度入塾するその間に・・・
 

友人の展示をアビィへ見に行ったのがキッカケで、
手にとる写真展(2006年)に参加したのが最初です。
たくさんの枚数を見てもらえるのがいい企画だな、と思いました。

– asakoさんはポートレイトと花の写真が印象的ですが
 ポートレイトを撮る時はどんな風に?

限られた撮影時間の中ですが、
モデルとたくさん話しをしながら撮ることで
いろいろな表情を引き出していきます。

– よく使うカメラは?

リコーのGRDと、フィルムならEOS7です。

– 今期の自信作を1つ挙げて下さい

asakopic.jpg
手にとる写真展2の作品
asakoさんはとにかくキッチリ丁寧に仕事を仕上げて来る人。
綿密に計画して構想を練り、シンプルなルールの中にも
いろいろな要素を織り込んで、観る人に判りやすく伝えます。
asakoさんの作品に今後もご期待ください!


○sariさん

sari.jpg
2008年の年始を飾った「ソラリストの詩」でアビィに初登場したsariさん。
晴れた空と曇り空の境目を漂うパラグライダーの写真や
ナツいろ3での干涸びたカエルの写真など、
毎回印象的な写真を出品いただいています。
– まずは簡単なプロフィールを

sariです(当初は村上沙織で出展)
兵庫県在住の23歳です。

– 写真歴は?

高校からダラダラと…。

– アビィ企画展に参加したキッカケは?

以前、他のギャラリーの企画展に参加した時
吹雪さんが感想を書いて下さってたのが一番最初のキッカケです。

– おおお!そうだったんですか!それはたいへん光栄です!
 では、好きな撮影モチーフは何ですか?

猫と花です

– よく使うカメラは?

ニコンFEとリコーGR1v
初めて買ったカメラはペンタックスMEスーパーでした。

– 今期の自信作を1つ挙げて下さい

saripic.jpg
なつイロ3の作品
学生の時(大阪ビジュアルアーツ)に撮ってた写真なので、
やっと成仏させることができました。(sariさん)

今年3回出展のsariさん。
アレ?3回だけだっけ?と不思議なのですが
いつも印象的な作品なので、記憶に強く残っているわけです。
プリントの色味もさることながら
やはり撮っている写真そのものが素晴らしい。
僕も注目している作家さんです。
sariさんの作品に今後もご期待ください!


次の更新は火曜日です~!
お楽しみに~!