旅と四季と毎日

まずは前開催「廃景●7」が日曜日で無事に終了いたしました。
今年もたくさんのご来場をいただきありがとうございます。
週末は混雑で見づらい時間帯もあり、ご迷惑をおかけしました。
一時期は廃墟ブームということで
各種メディアがいろいろと話題として取り上げ、
廃墟で写真を撮って公開するWebサイトが乱立した頃もありましたが
そういった動きも今はいくぶん穏やかになって、
自分の写真表現活動のしっかりとしたモチーフとして
情熱をいまだ傾ける人たちが良い作品を発表するという、
ジャンルとして成熟したある種の状態に差し掛かったように感じます。
いっけん誰が撮っても同じにしか写らなさそうな廃墟写真ですが、
廃墟という空間を通して増幅させる作家の世界観と
観る人の欲求・記憶・感情が見事にシンクロした時は
ほんとうに心に残る深い味わいの写真へ変貌することも多々あります。
そういう出来事は写真作品全般で理想となることですが、
廃墟写真にはそういうシンクロがよく起こります。
人の心の奥深くに眠る何かを
呼び起こしやすい要素があるのだと、そう思います。

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さて、本日からはガラッと雰囲気を変えまして、
菜美写真展「daily planet」が始まります。
菜美さんはアビィが開業した2005年から
トイカメラ月間、それぞれの生活、たびフォトなど、
毎年いろいろな企画展に定期的に参加なさってきた作家さんです。
お名前や作品を覚えてらっしゃる方も多いと思います。

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そんな、まさにアビィ生え抜きの作家さんである菜美さんが
長年の相棒であるトイカメラ「LOMO LC-A」と共にすごした
「春・夏・秋・冬に見た光景」をテーマに写真展を開催します。
もちろんこれが初個展!

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四季がテーマ、といっても、
パーッと激しく季節が移り変わっていくような
カレンダーの写真的な、絵巻物的な、
そういう壮大さはぜんぜんありません。
しかし、菜美さんの描く世界は、ものすごく静かに、
でも確かにハッキリと季節が巡っています。
観終わったあとにジンワリとくるミュージックビデオのような、
なんだか音楽が聞こえてきそうな写真たちです。

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初個展にして32枚組み!日曜日までの開催ですよ!
ボリュームたっぷりの展示空間をお見逃しなく!