○このコーナーについて

ホルガ120Nシリーズに関する改造方法や撮影テクニックをご紹介致します。左側のメンヒューからご覧になりたい項目をクリックしてください。テキストボックスにキーワードを入れて、関連する記事を検索することもできます。

また、パソコンで写真を取り扱う方法など、撮ったあとの楽しみ方に関しても随時執筆して行きますのでお楽しみに!

*旧120Sシリーズ特有の改造方法に関しましては、現行の120Nへモデルチェンジされてから相当の日数が過ぎましたので、ここでは割愛いたします。

○シャッター&レンズの分解

普通のカメラでシャッターやレンズを分解するなんて考えられないことですがHOLGAなら可能です!(笑)しかもすごくカンタンです。絞りやレンズ回りの改造、シャッターの修繕に必要な工程ですのでぜひ覚えてください!


●シャッターユニットの分解方法

1・マスクを取り外し、プラスの精密ドライバーで写真の位置にあるネジを2つ取ります。
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2・なんとこれだけでシャッターから先の部分がボロッと外れます!
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<シャッターユニット詳細図>
(イ)シャッターレバー
(ロ)ロータリーシャッター
(ハ)ストロボ同調用接点
(ニ)ストロボ同調用リード線
   *ちぎらない様に注意
(ホ)シャッターユニット留めネジ
   *2ヶ所あります


●レンズユニットの分解方法

1・シャッターユニットの(ホ)のネジを取るとシャッターユニットが外れてレンズユニットが独立します。
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2・するとこのようなパーツが露出します。
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<レンズユニット詳細図>
(イ)絞りレバーの突起
(ロ)絞り
(ハ)レンズ留めネジ
   *穴の奥にあります


3・(ハ)のネジを取ってレンズを反時計回りにまわしていくとレンズがボロッと外れます。HOLGAのレンズってネジ込み式なんですねー(汗)
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○絞りの追加

HOLGAには「曇り」と「晴れ」の絞りが付いています。曇りのほうがF8、晴れのほうはF11と言われていますが、実は絞りの穴がレンズより大きいので何の調節にもなりません!撮影時の露出が重要なリバーサルフィルムを使って作品づくりをしたい場合には特に必要な改造です。

1・「シャッターユニット分解」の項を参考に絞りの部品を取り外してください。絞りレバーの突起部分に溝があり、そこに絞りパーツの突起が挿し込まれる状態になっています。
改造して元に戻す時、意外と付けにくい部分ですので、どのように取り付けられているかよく見てから外しましょう。

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この絞りのパーツがレンズに被さっていない状態(素通し)が曇り用のF8。そして絞りレバーを晴天側にスライドさせるとこのパーツがレンズに被さってF11になります。
しかしこの絞りの穴(長方形!)がどういうわけかレンズより大きい(!)ので光の調節が出来ない状態になっているのです。

2・薄手の黒い塩ビ板や黒く塗りつぶした薄いアルミ板で絞りの穴を塞ぎます。接着は両面テープでじゅうぶんですがボンドを使う方が確実です。
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3・もともとの穴の位置を参考にキリやドリルで穴を開け直します。直径2.5mmの穴でF11相当になります。技術的なことを言うとこの穴は真円でなければなりませんが、どうせHOLGAですからなんでもいいですね。
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○レンズを明るくする

HOLGAの絞りは基本的にF8固定です。絞りの追加を行ってもF11程度になるだけで「暗いシーン」での撮影が厳しいのに変わりはありません。しかし!HOLGAのレンズを明るくしてF5.6相当にすることができます。

1・「レンズユニット分解」の項を参考にレンズを取り外してください。

2・レンズの後ろにあるリングをペリッと取り除きます。このリングは接着されていますのでレンズを傷つけないように注意しつつ、精密ドライバーなどを隙間に突っ込んでグイッと外してください。実はこのリングの大きさがF8相当になっているのです。

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というわけでレンズの穴が大きくなってよりたくさんの光を取り入れることができるようになりました。ブローニーの撮影ではかえって露出オーバーになるかもしれないですが、ポラロイドホルガの場合はかなり有効な改造です!

*注意点
この改造をすることにより、カメラによっては絞り切り替えに意味が出て来ることもありますので(笑)従来の「絞りはどっちでもいい」スタイルですと不都合の生じる場合があると思います。撮影状況に応じて適切な絞りを選択して下さい。
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