tetsuano写真展
「色界」
2014年10月22日(水)〜10月26日(日) / 12:00〜19:30

●個展開催にあたって

この展覧会の作品(A4サイズ20枚予定)はすべてデジタルトイカメラ「VQ1015ENTRY」で撮影した。このカメラはいまどきたった130万画素、マッチ箱サイズで液晶画面さえ無く、シャッタータイミングも不明というシロモノだ。

撮影時は大まかな構図を決める事以外は一切コントロール出来ないうえに、撮れば撮ったでこちらの意思とはお構いなく色や光が極端に飽和した、想像外の画像を出してくる。

普通なら失敗作として片付けるはずのそんな写真が、何故か自分の心を捉えて離さない。VQで撮る時の、カメラを向けてシャッターを押すだけ、という極めてシンプルな動作が、かえって気持ちを素直にさせるからだろうか…単なる色や光の面白さだけではない、自分自身の内側にある何かも一緒に写り込んでいるように感じる。

今回の個展はそんなVQ写真を「色(シキ)」というテーマでまとめてみることにした。色(シキ)とは、一般的には赤や青などといった色(イロ)の意味や、欲情の意味の他、仏教においては感覚や情念の世界、形あるものを指し、VQ写真を表すのにピッタリの言葉だと思う。それは、colorとしての色(シキ)であり、欲望や情念としての色(シキ)であり、これらひっくるめた、“色(シキ)の世界”という意味を今回のタイトルに込めた。

(注)仏教用語における「色界」という言葉の本来の定義は、三界(欲界、色界、無色界)の一つで”欲望は無いがまだ物質を離れていない世界”という意味であり、今展タイトルの「色界」は定義を異にする。


●パーティーのお知らせ

10月25日(土)19:30から個展パーティーを開催致します。食べ物/飲み物を持ち寄って頂いて、どなた様もご自由にお越し下さい。予約不要・参加無料。


●作者プロフィール


tetsuano・1967年・千葉生まれ

大阪美術専門学校美術工芸科卒業。同校在学中に写真を始める。その後全く個人的な活動に留まっていたが、2005年よりギャラリー・アビィやNADAR大阪などの企画展で作品発表を始め現在に至る。今回が3度目の個展開催。

○これまでの個展(いずれもギャラリー・アビィにて)
「謝写酌軸(しゃしゃしゃくじく)」(2009年)
「スパイラル」(2012年)
(2012年末まで大崎テツアーノ名義にて発表)


(会場風景)