吹雪大樹写真展

豆腐とビール

2010.5.4 -5.9
PM12:00 - PM7:00
(5/7・8は20:00まで営業します)

美しくても、キレイでなくても
面白くても、くだらなくても
自分が愛しいと思ったものを
素直な気持ちで撮る。

看板、路地裏、選挙のポスター、
公園、青空、夕暮れ、キッチン、
窓辺、通勤、温泉、嫁さん!
ぜんぶ、LOVE☆

一日の終わりを
ささやかに締めくくる
安売りの豆腐とビールのように、
毎日、飽きずに続けていこう。



●開催にあたって

「豆腐とビール」の晩酌・・・とりたてて特別でもないありふれたメニューです。しかし、一日の終わりを締めくくる晩酌でそれを口にする時、何とも言えないホッとした気持ちを感じてしまうものではないでしょうか。

そして「豆腐とビール」という高級でも何でもない、ごくごくありふれたモノだからこそ毎日続けていても飽きはしないのです・・・

仕事に追われる暮らしが惰性のように積み重なって流れては消える現代社会において、日々のちょっとしたハッピーなことに気づく心の余裕が大切である事を、毎日の生活風景の中から何気ないけれど大切な瞬間を捉えた「豆腐とビールのような写真」から気づいて欲しいというメッセージを込めて今回のタイトルを付けました。

そして本展は、手ブレ・ピンボケ・光線漏れなどの偶然性ばかりがアピールされるトイカメラ写真の世界において、それらを排除しアート作品へ昇華することを目指し作者が取り組んでいる写真表現の集大成とも言える展示となります。

大小さまざまのカラープリントを78枚展示します。


●作品集「豆腐とビール」(A5判・1冊1280円)

*完売致しました。ありがとうございます。
 第2版以降の販売については後日、アビィ日誌にてお知らせします。

写真展の開催に併せて私家版作品集を出版します。36ページ・64作品を収録しています。初版パッケージ限定50部。シリアルナンバー付きです。ギャラリー・アビィ店頭にて販売します。また、写真展終了後は通販もいたします。詳細はお問い合わせください。


●作者プロフィール

吹雪大樹(ふぶきたいじゅ)1971年大阪生まれ
日本写真映像専門学校映像学科を卒業後、テレビカメラマン、専門学校講師を経て、現在はギャラリー・アビィ代表。

1999年からトイカメラを用いた写真表現活動を行い、2001年にはホルガ会を設立。毎年8月に東京と大阪で開催する同会のグループ展「ホルガエキスポ」は世界最大のホルガ写真展となっています。
また、2009年にはNHKテレビ時代劇「浪花の華」にてエンディング映像用の写真をホルガで撮りおろし、ホルガリミテッド社(ホルガの販売メーカー)による「ホルガインスパイア・世界のホルガ写真家10名」にも日本人から唯一選ばれ、バンコク、テキサス、ニューヨーク、マサチューセッツのギャラリーでホルガ作品を展示するなど、「ホルガによる写真表現」の面白さを伝えるため国際的に活動しています。


(会場風景)

日々の暮らしで感じる「小さな幸福感」を物語的に並べました。


大きい写真がメインのあらすじ、小さい写真がそれに付随するシーン。そんな感じで映画的にストーリーを思い描いてもらえるように、テンポをつけてレイアウトしました。


豆腐とビールがいかに大事であるかということをB0サイズの特大プリントで表してみました。
もちろんこの展示は「豆腐とビールの写真展」という単純なことではありません。
僕が写真を撮る時の気持ちやその意味、自分の作品を通して訴えたい事を例えるならば、それは一日の終わりを締めくくる豆腐とビールの晩酌のようなものだ、という気持ちを込めてこのタイトルを付けました。


あくまでも日常のスナップ写真ですが、頭の中で書いた台本に沿って、映画のいろいろなシーンのように撮影しています。


展示にはわざわざ入れなくていいような細かな内容の写真も、実はそれが積み重なって全体に意味を与える存在になります。


なんども訪れたことのある旅先の風景を自分の日常として捉えてみます。
それは言い換えれば、人生そのものが旅であるということです。


そして旅の途中から再び日常がフェードインします。帰る日常があるから旅が楽しいのです。
春が来て桃が咲いて桜が咲いて、雨が降ったあとに虹が見えて、そして日々を綴った穏やかでささやかな物語は最初の壁面へと戻っていきます。


作品集や写真カードをお買い上げ頂いた皆様、ほんとうにありがとうございました!