toripy写真展


Aizu...Eyes...

2009.10.6 - 10.11
PM12:00 - PM7:00

●未知の国ラオスを求めて

窮屈な日本を離れたかった。遠く現実から逃避できる国に行きたかった。そんな思いとともに辿り着いた国、ラオス。
首都ヴィエンチャンから始まり、ローカルな町を訪ね歩いた。大多数を占める、ラオ族の現地での生活、黒モン族の子どもたちの日々・・・旅で感じたことを写真という媒体を通して伝えたいと思った。
ラオスの現実は貧しいと感じるかもしれない。いや、実際に金銭的には貧しい。しかし、今の日本の方が心貧しいのではと思う。
今から数十年前の日本の田舎町。そこには貧しいながらも、もっと心豊かな生活があった。日本に無くなった物がそこにはある。
自分の価値観を変えてくれる国、ラオス。

(作者より)

●ラオス人民民主共和国について

ラオスは、タイ、ミャンマー、ベトナムなどに囲まれた東南アジア唯一の内陸国で、面積は日本の本州と同じくらいです。中南部に位置する首都ビエンチャンを中心としたラオ族が人口の大多数を占めていますが、北部にはカム族、アカ族、モン族が中心となる他民族地域もあります。戦争や侵略・植民地など複雑な時代を経て1975年に現在の国家として成立しましたが経済的基盤が弱く外国からの資金援助が欠かせません。現在は校舎の不足や古くからの習慣が元となる就学率の低さなど、子供たちへの義務教育が深刻な問題となっています。


●現地撮影に際し心がけたこと

ラオスの現実を見ることは誰にでも出来ます。しかし私が追い求めたのは、現地の人々、子どもたちの自然な姿を撮影すること。とりわけ彼らのeyes『目』に注目しました。
生きていくために働く大人たち、大人に代わって子守をする子どもたちの姿、何も無い中で、工夫して遊ぶ子どもたち・・・
決して恵まれた環境ではありませんが、それぞれの持つ目は輝きを失っていないという点を知ってもらいたくて、時に私からaizu『合図』をおくり続け、時間をかけてお互いに笑顔になるよう撮影しました。
また、観客が子供達に決して哀れみのような感情を持っていただくことのない作品を作ろうということも心がけました。
展覧会名の「aizu」には、私が撮影を通じて人々から感じたことを含めて、日本語の『愛』、『合図』という単語を連想していただきたい気持ちを込めています。

(作者より)

作者:toripy(とりぴー) 1982年大阪生まれ。
フリーのアマチュアカメラマン。

関西外国語大学2年在学中にカメラに目覚め、トイカメラやフィルムカメラ、デジタル一眼レフカメラ等を使い、独学で写真を学びました。現在は定期的にギャラリー・アビィの企画展に出展し作家活動を続けています。知らない町や国に行くことが好きで、過去に行った国や地域は15を超え、旅フォトグラファーを目指しています。今回が初個展となります。


(会場風景)