吹雪手帖その123「2011年個展への道(19)」

吹雪手帖その123
「2011年個展への道(19)」
自分の個展からホルガエキスポ&ジャンボリーを経て
休廊期間になっても東京出張に改装工事とバタバタ。
2週間の夏休みも今日で終わって明日から今年後半戦・・・!
と、その前に・・・
今年2度目の個展のことを振り返っておこうと思います。
まず、会期中に放送したUstの吹雪大樹自己インタビューから。。。
ひっそり生放送してたのでご覧になっていない方も多いと思います・・・笑。

Video streaming by Ustream
今までにも、違うテーマの個展を年に2回したことはありましたが
今年は3部作として3回の個展をすることを自分に課してみました。
1回目の評判がよかったから2回目、3回目をするとか、
そういう流れで発生する展示ではなくて、
はじめから3回の個展をするために作られている世界です。
かといって、3回ぶんの内容をあらかじめ作っておいて
一定の期間を空けて見せていくというような、
作り置きの料理を順番に出すようなことはしたくなかったんです。
自分ではとっくに結末に至る過程が判っていることを
半年以上もかけてチビチビ見せていくなんて、
そんなことをするのはちょっと我慢できないし、
終わる頃には鮮度も落ちてきて、作った自分でさえ
マズくて食べられないシロモノになっているでしょう・・・

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最初の個展では2200枚から24枚を選びました。
じゃあ残った2176枚はボツなのかというと、
セレクトに入らなかっただけでボツではないのです。
どれも僕が見た世界をホルガで写し撮ったものですから
そもそもボツとかダメとか、そういう分け方がおかしいのです。
瞬きする間にどんどん過去になっていく一瞬を切り取って
永遠として残すことのできるのが写真というモノの素晴らしさです。
そしてその永遠を並べ換えて新しい一瞬一瞬をつくっていくことが
僕の表現活動の本質なのだと考えています。
だから、おおよその骨組みがある中で、どんなふうに肉付けしていくか、
自分自身もワクワクしながら取り組めるような作り方にしよう・・・
そういうことを5月の個展のセレクト中に決めました。
これまでの自分の表現活動を振り返ってみても例のない、
とても困難なチャレンジをやってみることに俄然意欲が湧きました。
それはやはり、命の危険があったかもしれない昨年秋の体調不良を
なんとか生き延びることができた経験があったからだと思います。
しかも自費出版ながらも写真集を毎回作ることも自分に課しました。
僕の表現活動を形づくる「写真と映画」というものの
ちょうど中間の姿が写真集だと思っています。
今は、どちらかというと写真集を作ることこそが
自分の活動の本分かもしれないと、そう考えています。

20110905-2.jpg
第2弾の写真集も多くの方にお買い上げいただきました。
展示を見て、その世界を気に入ってもらって、
写真集という形でそれぞれの生活の場に持って帰ってもらえる・・・
表現者としてこれほど嬉しいことはないと、改めて思います。
今回の個展で初めてお越しいただいた見ず知らずの方が
1作目と2作目の写真集の両方を持って帰ってくれたり・・・
それは僕の描く世界が「伝わった」というよりも
「受け入れられた」「取り込んでもらえた」「消化された」・・・
苦しい制作の日々が無駄でなかったことを知る瞬間です。
1作目の写真集はDVD付きバージョンは売り切れましたが
2作目の写真共々、アビィ店頭での販売と通販を行っています。
通販希望の方はメールにてお問い合わせください。