カメラを通して眺める街

まずは前開催「廃景●8」が日曜日で無事に終了しました。
会期中たくさんのご来場をいただき、まことにありがとうございます。
今年の廃景展、出展人数は過去最少になってしまいましたが
見ごたえのある良い作品が揃って、
それがひっそりギャラリーに佇んでいる感じが
とても僕の中で印象に残る展示になりました。
でも、どんな廃墟写真が良い作品なのでしょうか?
僕は思うのですが、廃墟の写真なんて、
ちょっと広角のレンズを使って、
HDRっぽくレタッチしてあげれば、
カッコよくなっていい感じに見えるんです。
しかし、そんな廃墟写真は薄っぺらい・・・
ビジュアルの美しさを求めるのは
写真作品として当然かもしれませんが、
それだけを求めるならCGで好きなように作ればいいんです。
危ない目にあってまで廃墟へ行って、
写真を撮りたいという衝動の根本はどこからやってくるのか?
廃墟と対峙したときに自分の心の中を去来するもの、
それが何であるのかを考えて廃墟の世界を写し撮ることが
廃墟写真を探究する表現者に求められる姿勢なのではないでしょうか。
伝統の企画展「廃景」・・・
これからもご期待いただければと思います。

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さて、本日からは「まちフォト●2」が始まります。
人間が生活する場所である街。
それは私たちにとって身近な存在です。
2年ぶりの開催となる今回は「街の風景」をメインにして
7名の作家による作品が集まりました。

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「街の風景写真」というと、
なにかワンパターンな写真が想像されがちですが
1つ1つの街にはいろいろな人が暮らし、様々な出来事があり、
それらが絡み合った瞬間をどんなふうに作者が写し撮るのか?

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そう考えると、街は被写体でもあり撮影場所にもなる、
ちょっと変わった面白いモチーフであることが
お分かりいただけるのではないかと思います。

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日曜日までの開催となっております。
みなさまのご来場をお待ちしております~!