吹雪手帖その101「2011年個展への道(2)」

吹雪手帖その101
「2011年個展への道(2)」
久々の吹雪手帖&個展への道です~
前回の掲載が11月5日でしたので、
なんやかんやであれから三ヶ月ほど経とうとしております・・・
吹雪大樹写真展「ユージュアル_エブリデイ」の制作状況ですが、
その後も地道に作業や撮影を続けていますよ~!
まず、2006年の個展「素晴らしき世界」から
苦楽を共にしてきたMyホルガ(5代目の愛機)が
とうとうシャッター不調でご臨終・・・
しかしみなさんもご存知の通り、ホルガの写りにはけっこう個体差があります。
制作の途中の段階でカメラを替えてしまうのは悪い影響も・・・
ということで・・・

20110202-2.jpg

壊れたホルガからレンズの部分を取り外し、
新しいホルガに移植しました!これで写りに変化はありません。
で、これが僕のNEWホルガ!

20110202-3.jpg

本体を新しくするにあたって、
ストロボ内蔵だったのを、ストロボなしのタイプに変え、
小型軽量外付けストロボのヒカル小町を取り付けました。
これで内蔵ストロボの問題であった光量不足を多少補えます。
(内蔵ストロボの公称はGN10ですが、たぶんもっと小さい)
また、僕のツイッターのほうではボチボチ書いているのですが、
今回の個展は645フォーマット横位置で制作しているため、
カメラを縦向きに構えても撮影しやすいように木製グリップをつけてあります。
いろいろ外付けパーツをくっつけたせいで、
なんだか電人ザボーガーみたいになってしまいましたが、
これだけゴツくても全然軽くてヘッチャラです。さすがホルガ(笑)
撮影のほうは、今年に入ってからペースを緩くしていますが、
昨年の夏から年末にかけては、おおよそ1週間に5本ぐらいのペースで
やたらめったら撮りまくっておりました。
この写真は、ある時の現像待ちフィルムたち。

20110202-4.jpg
個展用に撮った全部のフィルムではないんですよ。
これでも全体のほんの一部です。
フィルム代や現像代もかなり大変ですし、
こんなに撮ったって全部が展示できるわけではありません。
しかし、僕のように「日常で」撮って、
「虚構を組み立てる」タイプの制作スタイルというのは
「自分が何かを感じたとき」を「たくさん撮る」ことが
やはりとても大事だと思うのです。

昨年の個展「豆腐とビール」
でも64ロールを撮影しましたが、
今回はそれを軽く上回って、現段階でロール101までいきました。
その他に未現像のフィルムがまだたくさん控えていますが(汗)
それでも3月ぐらいまでは撮り続けるつもりです。
今までの取り組みでは見えて来なかった事が
この大量撮影の果てに、必ず僕の目の前に現れると信じています。
しかし、日々の業務や昨年秋の体調不良などが重なって、
こんなに撮りまくっているのに、2010年末の時点で
現像済みフィルム90ロールほどがスキャンできないまま年越しという事態に・・・
90本x16コマ=1440カットです。
これはなにか手を打たないと・・・
(しかもスキャン待ちネガは刻々と増えていくのです)
というわけで、スキャン作業の効率アップを目指す事にしました。
いま僕が使っているスキャナはEPSONのGT-X900です。
8×10フィルムまで取り込める上位機種なんですが、
付属のフィルムホルダーの使い勝手が芳しくなく、
昔のスキャナで使っていたホルダーを使っていたのですが、
これが1コマスキャンするたびにセッティングが必要で
たいへん効率が悪いわけです。
なので、自分で使い勝手の良いフィルムホルダーを作りました!
じゃーん!

20110202-5.jpg
といっても、厚紙で作っただけの簡易ホルダーです(笑)
しかし、スキャンのピント調整などいろいろ考慮して作ってあります。
特長はスリーブが3列一度にセットできるところ。

20110202-6.jpg

いちど全体をプレスキャンして、各コマごとにトーン調節を行い、
あとはバッチスキャンをかければ、相当な時間短縮になります。
これが予想以上に便利でカンタンでした。
今年になってから、家にいる間のちょっとした空き時間に
1本、2本とスキャンをコツコツ続けてゆき、
90本あった未スキャンネガが現段階で残り3本になりました!
撮るだけ撮りまくって、それで結局、画にできなかったら
本末転倒になるところでしたが、なんとかなりました。
いまは撮影と並行してセレクトに取りかかっている所です。
今回は昨年のような明確なストーリーはありませんが、
やはり全体でドドっと感じてもらうような内容です。
いつものようなフワッと優しい写真ばかりではなく、
むしろ今年の個展用にはそういう写真をあまり撮っていないので
近年の作品と比べるとやや重い内容になるかもしれませんが、
それでもやっぱり落としどころは・・・ってカンジですかね~
僕は映画を作っていたころも、現場で撮影している時よりかは、
最後の仕上げの編集作業がいちばん大好きだったので、
個展に向けてこれからどんな「ウソ」を組み立てていけるのか楽しみです。

20110202-1.jpg
頑張ります~!