作家列伝2010(その3)イシケタマナブさん

ギャラリー・アビィ作家列伝2010(その3)
イシケタマナブさん(今期4回出展)
2007年にアビィ初参加のイシケタさんは
(当初は「69年式」名義)
僕の中では「頑固な奇才」という印象の作家さん。
アビィ出展者の中では間違いなく異色の存在です。
ーまずは自己紹介をお願いします

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イシケタマナブです。来年41歳になります。
和歌山生まれで今は奈良に住んでいます。
19歳から10年間ほど東京で暮らしていたので、
気持ち的には関東人かもしれないです。

ー写真歴は?

写真は15歳頃から撮っていますが、
もともと、古いカメラを分解して修理したり、
メカ的なことに興味を持っていました。
それに写真ギャラリーというと、
撮り方とか構図とかのセオリーにうるさそうで
展示する事にあまり興味はなかったんです。

ーアビィに参加し始めたキッカケは?

2007年に学研のパノラマピンホールカメラで
団地の給水塔を撮り歩いていたものを
発表したいと思っていた時に、
ピンホール写真の募集があるという事で
アビィを知りました。
いちどアビィへ下見にいったら
色々な価値観の写真が展示してあって
自分の思っていたギャラリーとの違いに驚きました。

ーよく使うカメラは?

当初はホルガやピンホールカメラを使っていましたが
いまはデジタルに移行してGX100がメインです。

ーイシケタさんの作品に見られるカタログ的な見せ方が
 僕はなかなか面白いと感じているのですが・・・

自分がそのとき興味をもった物を
いろいろな面から調べ上げたうえで撮っているので
どうしてもカタログ的になってしまうんです。
普段の企画展も、細かい解説入りの作品集がメインで
壁の展示はそこから抜粋しただけという気分です。
本当はストーリー的なことを組み写真で表したいのですが・・

ーやりたくてやってるカタログ式だと思っていたので
 僕にとってそれは意外な答えで驚きましたねぇ。
 
僕は多趣味な人間なんですが、
言い換えると熱しやすく冷めやすい性分というか。
深く掘り下げてあるとき急にやめちゃう。
写真に撮る物もその時その時で変わっていきますが、
でも写真を撮ること自体はやめずに続けている事なので、
人から顧みられないけど存在が面白いモノたちを
写真で残していきたいです。

ーそれでは今年の出展作品からお気に入りを1つ!
「廃景●7」の作品で、廃車のミニクーパーが
台の上で放置されている写真です。


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「廃車のある風景」
イシケタさんが興味のある撮影対象を徹底的に調べあげ、
いろいろな角度から切り取る様子に、
被写体と真剣に向き合う気迫を僕は感じます。
それでは、イシケタさんの出展作品にご期待ください!