4つの手のひら

まずは前開催「でかフォト●2」が日曜日で無事に終了いたしました。
最終日は思わぬ大雨にもかかわらずたくさんの方にご来場いただき
まことにありがとうございました。
異例の年2回目の開催として登場した「でかフォト●2」ですが
今回もたくさんの方にB1サイズプリントの迫力を堪能いただきました。
どんな写真を大きくすると面白くなるのか?
それも、ちょっとやそっとじゃ出さないような大型サイズ・・・
シンプルかつ意外に難しいテーマでしたが、
16名の出展作家さんのいろいろなアイデアを見せてもらえました。
今や写真はデジカメの液晶画面やPCのモニタで見るのが当たり前で
紙にプリントしたとしても同時プリントのL判がせいぜい。
「写真をみせる寸法」は作者が決める、という当たり前のことを
こういう時代だからこそ再認識していただき、
みなさんの今後の創作活動に活かしてほしいと思います。
来年は3月に「でかフォト●3」開催予定ですので、
今回の展示をご覧になって「我こそは!」と思った方は
アビィ企画展の新規募集開始を毎週チェックしておいてくださいね!
さて、本日からギャラリー・アビィ名物?
「秋の個展ラッシュ」がスタート!
途中に企画展として撮影旅行展が1回入るだけで、
なんと12月12日まで個展開催が目白押し!
9名の作家さんの個展が続きます。

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そのトップバッターを飾るのは、
2007年に個展「Qtr.」を開催した安田新之助さん。
自身2度目となる個展「op」が始まります!
前回の初個展「Qtr.」のタイトルは
クオーター=4分の1世紀=25年のこと。
25歳を迎えた作者が撮影した3人の男のポートレイトから
不意にあらわれる偶発的なストーリーを主題にしたものでした。
そして今回のタイトル「op」には3つの意味が込められています。

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惑星が太陽のまわりを一回りする周期のことを
「op = orbital period」と言い、
日付と曜日が28年ごとに「ひとまわり」するのを
意味することもあるそうです。
また、自分の世界を表現する人には
その創作の原点となる場所があります。
それが「op = original point」
そして、創作を生み出すのはアーティストの「手」です。
「op = on palms」
今年28歳を迎えた安田さんが、自分の人生の「ひとまわり」として、
自分と同年代のアーティストたちの創作の原点の場所、
そして、創作を生み出すその手のひらを写真に収め、
次の「もうひとまわり」へ向かうために展示をします。

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モノクロバライタで若々しくも大胆で
不安定に形づくられた20枚の写真が
言葉にならない何かのストーリーをアビィの壁面に紡ぎました。
ちなみにこの「op」ですが、同じ期間中、
アビィからほど近くにあるBar「バルカバール」でも展示があります。
(大阪市中央区南船場1-17-8/18:00-25:00)
そちらは安田さんが海外生活中に撮影した
ポラロイド写真によるポートレイト作品がメイン。
安田さんの写真活動の原点である作品の展示だそうです。

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ということで、実はアビィが「op = on palms」
そしてBarのほうが「op = original point」という具合に、
2つ同時に開催して28歳のひとくぎり「op = orbital period」になる。
なかなか壮大な計画の展示となっておりますよ!

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この写真はふだんあまりお見せしない搬入中の様子。
置き場所の定まっていなかった20枚の混沌とした写真たちが
安田さんとの長い思考時間のすえに、あるべき場所に収まっていく様子が
そばで見ていて、とても素晴らしかったです。
日曜日までの開催となっております。
みなさまのご来場をお待ちしております~!