トイカメラのためのフィルムスキャナ「TCS-566」レビュー

我らがトイカメラカンパニー!株式会社エー・パワーさんから
トイカメラの為に開発されたフィルムスキャナ「TCS-566」
8月2日より販売開始されます!
35mmフィルム・ブローニーフィルムの、
カラーネガ、モノクロネガ、リバーサルを
カンタン操作でバッチリとスキャンできるスグレモノ!
35mmフィルム専用で同様のスキャナは他社から販売されていますが、
ホルガやダイアナなど、ブローニーフィルムを使うトイカメラユーザーが、
もっと便利でリーズナブルにフィルム写真を楽しめるようにと、
エーパワーさんのプロデュースで開発されました!
というわけで、ギャラリー・アビィでデモ機をお借りしまして、
いろいろと遊んでみました!
きっとどこよりも早い「TCS-566製品レビュー」ですよ~
じゃじゃーん!

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燦然と輝くエーパワーのロゴマーク!これがTCS-566です。
「トイカメラスキャナ・500万画素で6x6」という意味が
この型番に込められているそうです。うん、判り易い!(笑)

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大きさはこのぐらいです。って、僕の手と比較ですが(汗)
ジャイアント馬場みたいな手ではありませんので
このスキャナがけっこうコンパクトであることが判ると思います。
重量もとっても軽いです~
ちなみに、レビュー中に登場する各種数値や操作感は
デモ機をもとに書いているため、実際の製品では異なる場合があります。
いちおう、その点だけご注意ください~

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さて、作動中の液晶画面はこんなカンジ。
電源はUSBバスパワーです。
コンセント用のアダプターも付属していますので
パソコンがなくても動かす事ができます。
3つのボタンでいろいろ操作しますが、メニューは判り易いです。
スキャンするフィルムの種類、解像度設定(800dpi or 1600dpi)、
画像の回転や反転など細かい設定もOK。
カラーバランスはオート設定で、
露出設定(+2~-2)だけマニュアルで決められます。
35mmフィルム用のホルダーは
スリーブ用とスライドマウント用の2種類が付属しています。
 *スリーブというのは、
  フィルムを6コマごとにカットして袋に入れてある、
  いわゆる普通に現像したあとのフィルムの状態ですね。
  ブローニーだと、6x6が3コマでスリーブ1本ぶんです。
ブローニー用のホルダーはいっけんスリーブ用っぽいんですが・・・

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このように、1コマずつカットしてセットする仕組みになっています。
1コマずつきっちりとスキャンさせるための仕様のようですが、
これはちょっとよくないですね。ネガが散逸してしまいます。
スリーブのままセットできるホルダを開発中だそうですので、
それに期待する事にしましょう!
で、無いのなら作ってしまえホトトギス、ということで・・・

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6x6が3コマ分、スリーブでセットできるホルダを作りました。
インクジェット紙の袋に入ってる厚紙を材料にして5分間ほどで製作(笑)

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本体右側からホルダを挿入します。
 *いちおう、ホルダなしでフィルムをそのまま突っ込んでも
  被写界深度がかなり深いようで特に問題なくスキャンできますが、
  フィルムに傷や指紋のつく恐れがあるのでご注意を。
で、普通のスキャナは全体のプレビューをしないと
セットしたフィルムの様子を見る事はできませんが・・・
このTCS-566はリアルタイムで液晶画面に表示されます。

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ネガフィルムが正常な色調に反転されますので、判り易いです。
リバーサルはもちろんそのままの色で、
モノクロネガも明暗反転して表示されると思います。
文章では判りにくいかもしれないので動画でドウゾ!

 *動画が出ない人はこちら
とまあこのように、液晶に表示されている部分が
単純にスキャンできるという、とにかく判り易いカンジです。
で、スキャニングはボタンを押すだけで一瞬で完了します。
ウォーミングアップを待ったり、ウィイイィーンとか、動いたりしません。
ライトボックスの上に置いたフィルムをカメラで複写するように、
1コマぶんスキャンしたら、ホルダを動かして次のコマへ、という具合に
サクサクと作業を進める事ができます。
さて、肝心のスキャンした画像はこんなカンジ・・・
(ホルガ+フォギーフイルターの写真です)

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(クリックすると原寸大で表示されます)
ほんの少しサイズ調整とゴミ取りをしていますが、
ほぼスキャンしたままの画像です。
あくまでもこういうスタイルのスキャナということで、
フラッドベッドスキャナと比べると多少の見劣りは否めませんが
この価格、このコンパクトさ、この簡便さなら
じゅうぶん使える機器ではないかと思います。
トイカメラではなく、ビシッと写る中判カメラの写真なら、
元々の画質が良いので、スキャンも良好です。
(マミヤ6で撮影)

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(クリックすると原寸大で表示されます)
そして、スキャンした画像は本体内蔵メモリかSDカードに記録されます。
USBケーブル経由でPCに画像をコピーするか、
カードリーダーでSDカードからコピーするか、
という具合でPCに画像を持ってきます。
ようするにTWAIN機器ではないので、
PCソフトと連携して使えるわけではないのですが、
逆に言うと、PCがない状況でも
スタンドアロンでフィルムスキャンができるということです。
PCを持っていなくて、ネットはケータイで、という人も、
MicroSDカード+アダプターでスキャン画像を保存して、
その画像をケータイで開いて編集すれば
ある程度の画像調節やリサイズも可能となりますから、
ブログやミクシィやツイッターでのWeb掲載用に
フィルム写真の画像を変換することもできますね。
ほかにも、ちょっと確認用で軽くスキャンしたいときにも手軽ですし、
TV出力もできますので、ワークショップなどで
フィルムをプロジェクターで映して見たり、
たんなるスキャナの枠を越えて、アイデアしだいで
いろいろな使い方が工夫できそうです。
さらに、先程も書いたように、ホルダを作るのがカンタンなので、
ブローニーで6x12や6x18など特殊サイズの場合とかでも
分割してスキャンした画像をフォトショップで繋げば上手くいけそうです。
ほかにも今回作ったようなホルダなら、
ホルダを固定してフィルムだけ動かしていけば
極端なハナシ、ブローニーで6x72とか、
8ミリや16ミリの映画用フィルムとか、
フラッドベッド型では扱いにくい長尺タイプのスキャンも容易そうです。
もちろん、ハーフ判やDianaMiniのスクエア判やホリゾンカメラなど、
写真屋さん泣かせの35mmフィルム特殊フォーマットのトイカメ写真も、
ホルダを工夫して作れば、自分の好きなようにスキャンできそうですね。
ブローニー用のフィルムスキャナの購入で費用的に悩んでいる方、
複合機を既にお持ちで、フラッドベッドスキャナの置き場に困る方、
使っているスキャナが特殊フォーマットに対応できず困っている方、
そう言う方にまず、オススメの機器だと感じました。
そしてほかにもいろいろな使い方・可能性がありそうに思います。
現在、8月2日の発売に向けて、ネット限定で予約受付中だそうです。
気になる方は株式会社エーパワーのページをご覧下さい~