吹雪手帖その59

吹雪手帖その59
2009年個展への道(2)
吹雪大樹写真展「イメージソング」の進み具合のほうですが
あれからスキャン&レタッチ&追加撮影が地道に続いております。

20090219.jpg

今回はB1サイズの大きな写真で展示しますので
1コマあたりの取り込み解像度もかなり大きな数字。
ウンウン長い時間かかってスキャンされたデカい画像を
これまたウンウン唸りながらゴミ取り作業と画像ノイズの除去・・・
ほんとうに涙ぐましくチマチマとやっております。
PC画面上では数ピクセルにも満たない小さなゴミでも
大伸ばしにしたら数ミリ数センチに拡大されて目立ちます。
単調でつまらない作業ですが、
クオリティを上げるための大事なプロセスです。
とにかく時間のかかる作業が続くので
できれば展示に使う写真だけに絞って作業したいところですが
新規撮影のネガになかなかイイ写真が目白押し状態になっていまして
スキャンする時点で写真のセレクトをするのも難しく、
普通ならフィルム1本1時間ぐらいで済むところが
ヘタしたら3時間ぐらい掛かってしまうという始末・・・
(現行商品のスキャナにすれば読み取りスピードも早いんですかね?)
と言いつつもなんだかんだでザッと30枚ぐらいが展示写真の候補に。
しかしB1縦位置で展示できる枚数はアビィの場合12枚が限界です。
アレもコレも削るのは惜しいですが
セレクトをしっかりやらなくてはなりません。
僕がセレクトの時に大事だなと思うのは「客観性」のこと。
作者の思い入れというものは写真からは判りません。
観る人がその写真から何を感じ取れるのか、
作者が知り得る情報を排除した状態で考えることが必要です。
たとえばこんなことです。
母親がまだ元気だった頃、
幼い僕の手を引いて歩いた海沿いの道。
そこにあるひなびた食堂でうどんを食べた想い出が
僕の原風景の1つとしてあります。
が、なんと!
今回の新規撮影の最中に訪れた土地で
その食堂に偶然再会してしまったのです。
かなりビックリしまして、丁度夕暮れの時間帯だったし、
迷わずシャッターを押して撮りました。
と、いうようなカンジのことなのですね(ちなみに実話です)
その写真が展示のコンセプトにマッチした良い出来映えのものなら
思い入れが伝わらなくても写真が成立するわけで採用OKですが
ちょっとコレどうだろ~コンセプトから外れちゃうけど
好きな写真だから入れとこうかな・・・とういう1枚が
個展で展示したすべての写真を台無しにする事だってあるのです。
ましてや今回は12枚しか展示できないので
けっこうセレクトであれやこれやと想像をめぐらせます。
そしてセレクトの結果によっては
候補の枚数がガクンと減ってしまうこともありますから
あともう1本ぐらい・・・カメラを持ってさまよわなければ。