いつも共にあり、いつも帰れない

まずは前開催・畠山優樹「光滲」が
日曜日で無事に終了致しました。
この展示を体験頂いた皆様、ありがとうございます。
画面のほとんどを占める黒い影とそこに差し込む一条の光。
そういった写真をあえて薄暗い空間の中に並べて見せることで、
写真の中の光の存在感をより強く見せる効果を生み出しました。
いつものスポットライトに代わって仄かに光る照明器具は
電源ケーブルの配線を見せないように乾電池を用い、
壁面の中で独特の存在感を放つよう、サイズ感も拘った自作の装置。
さらにアビィの特長である大きな窓から入り込む外光が
刻一刻と展示風景に変化を与え続ける様子は、
この空間があたかも何かの回路のように作動して、
作品と対峙した人の記憶の奥底を照らす不思議な装置のようでした。
建築を志すこの作者ならではの、
驚きの空間を作ってくれたと思います。
まだ18歳の畠山さん。なかなかの巧者です。
みなさんも彼の今後の作品に、おおいにご注目ください!

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さて本日から佐藤柊写真展「My town」を開催します。
2013年「巡る流体」、2015年「満ち欠けを覚える」で
自身の独特の「この世界の捉え方」を写真で表現した柊さん、
今回は2年連続、3度目の個展開催となります。

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今回のタイトル「My town」はそのまま「私の街」と捉えてください。
もちろん、現実の場所ではありません。
「現実だった場所」であると言えば良いのでしょうか。

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大人になって失ったものと、大人になったから分かったこと。
もう帰れない時間への憧憬と共に、静かな風景が並びます。

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作者在廊は初日と最終日、また、土曜日夜はパーティーもあります。
日曜日までの開催です。みなさま、今週も絶対お見逃しなく!