吹雪手帖その83「2010年個展への道(4)」
Date : 2010/02/19 Fri

吹雪手帖その83
「2010年個展への道(4)」

僕が個展をする時に楽しみにしている事のひとつはDMを作ること!

DMっていうのは、ダイレクトメールの略です。
買い物をしたお店からのお知らせがポストに届いたりする、
そんなときのハガキやチラシのことです。

通常は作者の知人や親類、仲間のところに
個展をするから観に来てね〜と
お知らせをするために出すハガキなわけですが・・・

ギャラリー巡りをしていると、
どこのギャラリーにも近隣でやってる展示のDM置き場があって
そこでお気に入りの展覧会の情報をキャッチできたり、
面白そうなのが近所でやってるからついでに観に行こうとか、
アート鑑賞の繋がりを呼び込んだりしてくれます。

(あまりギャラリー慣れしていない方からは、
 なんでよその店の宣伝するの?と不思議がられます、笑)

このように、展覧会のDMというのは
自分が知ってる人に送って「知らせる」だけじゃなくて
置いてあるDMを気に入った人に「知ってもらう」役目もあります。

ですから、何百枚もたくさんDM作る必要ないよ〜って思っても、
あなたのことを知らない誰かに知ってもらうためには
たくさーん作っておいた方がいいんですよ〜

千客万来ってコトはそりゃ〜ないですが、
一人でも二人でも、自分にとって濃い出会いに結びついたら
DMを作った甲斐があるというものです。

また、DMのデザインひとつでも、注目度が変わります。
手に取って、持って帰ってもらって、
もしくはその場で自分の展示に足を向けさせるチカラのある、
そういうデザインのDMを信頼できる人に頼みましょう。

DMはあくまでDM・・・形式として作るだけの物・・・
というように考えていたら、ほんとに損ですよ〜

こんな人に観にきて欲しいな、どんな展示だと想像してもらえるかな、
そんなことを考えながらDMを作るから、楽しいんですね〜
写真載せて文字入れてオシマイ、そんなのじゃあ勿体ナイですよ!

20100219.jpg

今年も10パターンぐらい作って、カンプ(見本)を印刷して、
DM置き場に並んだ時の感じや手に取ってもらった時の大きさ、
写真の見え方、文字の配置、書いている内容の理解されやすさ、
そういうのをじっくり吟味しております。

ひとまずコレかな・・・というのが出来上がったので、
しばらく放置しておいて、忘れた頃に見直して、
これでいいのかどうか、もう一度考えます。

撮影の方も、やや手こずりながらですが、
おおむね順調に進んでおります。
そのことはまた別の機会にでも書いてみたいと思います〜
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吹雪手帖その82「2010年個展への道(3)」
Date : 2010/02/03 Wed

吹雪手帖その82
「2010年個展への道(3)」

昨日は「豆腐とビール」のプレスリリースを作りました。

プレスリリースがどんなモノかというと、
展覧会のタイトルや展示のコンセプト、
製作技法の詳細、作者のプロフィール、イメージ写真の紹介、
そういった情報を紙媒体にまとめてあるものです。
(最近はPDF形式でデジタル化する場合もあります)

これを新聞や雑誌などのメディアに向けて送ります。
アビィの場合は新聞・情報誌・カメラ雑誌など20社に送っています。

そして送られてきたプレスリリースを編集者の方が検討して、
記事にして紹介いただいたり、取材にお越しくださったりして、
展覧会の情報がより広く一般に伝わる事となります。

つまり、プレスリリースというのは、
展覧会を開くという事を外部に示す最初のアクションであり、
プレスリリースにどんなことを書いて載せるかというのは、
自分がその展示でどんなことがしたいのか、
改めて見つめる良い機会になります。

「こういう展示をやってみよう!」
「この展示で、こんなことを観る人に伝えたい!」
そういう事柄が明確になり、自分のやりたい事を客観的に判断できます。

ですから、プレスリリースは
メディアに対しての開催告知という本来の目的以外にも、
自分に対しても、展示についての考えを示す、大事なものなんですね。

アビィの場合は個展をする作家さん自身に
プレスリリースに載せる文章を書いていただき、
それを僕との間で何回か推敲して、完成させるようにしています。

プレスリリースの発行は開催の3ヶ月前ぐらい。
月刊誌の締め切りに間に合うように・・・ということもありますが、
プレスを書く事によって、大きな軌道修正が必要だということが判っても、
なんとかリカバリーできる余裕を持たせる意味合いもあります。

逆に言うと、準備期間が3ヶ月もないタイミングで
個展をやってしまうのも、展示によほど慣れた人でない限り、
ちゃんとした内容まで持って行くのが難しいかもしれないですね。

僕の方針としては、開催まで4ヶ月を切るタイミングで
個展利用の申し出があっても、お断りしています。
企画展やグループ展なら、勢いが大事だと思いますが、
せっかくの個展ですから、決して安くないお金を使うわけですし、
万全の態勢で開催してもらえるように、
半年〜8ヶ月前のスケジュールをお勧めするようにしています。

・・・おっと、話しがそれてしまいました!

ということで、ついに「豆腐とビール」という個展の存在が
メディアの方々に知られるところとなったわけです。
どんな反応があるかはまだ判りませんが、
これから自分が伝えていく事がより明確になりました。

20100203.jpg

何回やっても個展は発見があり、勉強になりますね。

では〜
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吹雪手帖その81「2010年個展への道(2)」
Date : 2010/01/22 Fri

吹雪手帖その81
「2010年個展への道(2)」

ささささ・・・さて!

アホほど撮影したホルガ写真のネガを
毎日必死にスキャンしている吹雪大樹です(笑)

しかもスキャナにかければそれで完成ってワケではないので、
色調整にスキャンゴミの除去に、手間ヒマかけて作業してます。

しかしまあ、こういう作業の中で
「我ながら傑作!」と思うワンショットに出会う喜びは
ほんとうに嬉しい瞬間ですね。このために頑張っている感じですね〜!

しかし今回の「豆腐とビール」ですが、
準備段階ではいろいろなカメラで撮るつもりだったものを
ホルガ写真オンリーで行く事に方向転換したこともあり、
(そのため、お蔵入りした写真が多数・・・涙)
ほんとはちゃんとしたカメラで撮るつもりだった
メインビジュアルとなる「豆腐とビール」のイメージ写真を
ホルガで同じように撮ることがなかなか難しく、
構図とピントが何度やっても納得いかなくて四苦八苦・・・

相次ぐ失敗に懲りて、先日の撮影は工夫してみました。

20100119-1.jpg
用意するホルガは2台。
撮影用のホルガと、構図とピント確認用のホルガ。
確認用のホルガにはマスクの部分にトレーシングペーパーを貼ってます。
あとは接写レンズといつものフォギーフィルター。
ケラレがでるので、接写レンズの先にフォギーをつけています。

20100119-2.jpg

まず確認用のホルガを三脚にすえて、シャッターをバルブにして押せば、
レンズから通ってきた光がトレーシングペーパーのところに映るので、
構図とピントが確認できます。一眼レフのホルガみたいなもんです。

といっても、ホルガの絞りはF8で、
メインライトは室内の蛍光灯とクリップライト(笑)
トレペに映る像はかなり暗くなってしまうので、
屋外で大判カメラを使う時のような塩梅で
頭からコートを被ってカメラを覆わないと目に見えません。

20100119-3.jpg

トレペに浮かぶ像はデジカメでも全然写せないので
ファインダーからのぞくとこんなカンジ、という写真です。

ホルガはファインダーとレンズが別々ですので
接写撮影の場合はファインダーから見える範囲が参考になりません。
こんなふうにズレた感じで撮ると丁度良いのですが
闇雲にそれを合わせるのは至難のワザ!
同様に接写のピントをファインダーで確認できるわけでもなく、
そのために「一眼レフもどきホルガ」を考案したわけですね〜

20100119-4.jpg

カメラの位置が決まったら、豆腐とビールをセッティングして、
本番用のホルガに乗せかえて実際の撮影をします。
ピントの位置の設定や接写レンズを移し変えるのも忘れないように・・・

露光時間は3秒ぐらいバルブシャッターで普通に撮ったあとに、
ピカッとしたハイライトを加えて立体感を出すため、
懐中電灯の灯りでジョッキや皿などを照らして
少しずつ多重露光してみました。

あとは構図や撮影距離を変えるたびにこの繰り返しです。

しかも実際に風呂上がりの晩酌前に撮ってるので、
暑いやら湯冷めしそうやら、喉は乾くし早くビール飲みたいし、
泡が減ったらビールを継ぎ足すので、
まだ飲んでもないのに缶の中味は減っていくし、
もうとにかくタイヘンです(笑)

そして居酒屋のメニューに載せる写真のような、
現実離れした美味しそうな写真を撮ることが求められる内容ではないし、
かといって不味そうだったり貧乏臭くなってもいけないし、
どんな雰囲気で撮りおろせばいいのかというころで悩んでしまい、
豆腐とビールの写真だけですでにフィルム4本分ぐらい撮ってます(汗)

展示に使うたった1枚の写真のために、バカらしい話しですが、
今回は「バカげたことを真剣に取り組んでみる」ことに
パワーを注いでみたいわけです。

ホルガであることがどうでもよくなるぐらいの説得力を
そのパワーで写真に宿せることが出来れば、
ホルガによる写真表現が、次のステージを目指せるのではないかと。

20100119-5.jpg

手応えを感じた何枚かが撮れた気がして撮影終了!
あとは美味しく頂きました。
この日の晩酌、やっとこさ終了です(笑)

というわけで、出来上がりましたよ〜!

20100122.jpg

ゆ・・・ユルすぎるかも(汗)

とにかく!これにて本気でスタートです。
そのままゴールまでロングスパートしたままで走ります!

*****

吹雪大樹写真展「豆腐とビール」
2010年5月4日〜5月9日・ギャラリーアビィにて開催
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吹雪手帖その80「2010年個展への道(1)」
Date : 2010/01/19 Tue

吹雪手帖その80
「2010年個展への道(1)」

今年もゴールデンウィークに吹雪大樹個展を開催します。
カメラはもちろんホルガでやりますよ!

その個展タイトルは・・・

「豆腐とビール」

え・・・?という声が聞こえてきそうですが
トチ狂ったわけでも書き間違えでもありません。

「豆腐とビール」・・・なんて美しい日本語なんでしょう(笑)

実は昨年の7月頃から考えていたタイトルなんですが、
コンセプトとなる文章を何十回も書き直し・・・
今年に入ってからやっと書き上がりまして、
「豆腐とビール」でいく決心がつきました。

当初の構想ではいろいろなカメラの写真を並べるつもりでしたが
昨年秋以降に経験した海外でのホルガ作品展示で感じた事をふまえて
カメラはホルガ1本に絞って撮る事にしました。

撮影自体は、昨年のクリスマス前後からボチボチ始めていまして、
いまはガンガンドシドシとブローニーで撮っています。

しかしまあ、「豆腐とビール」と言われても、
どんな展示かワケわからないと思いますが、
これまでに僕がアビィで開催した
2006年の「素晴らしき世界」
2007年の「日々は光にあふれている」
この2作に続く3作目といった内容です。

昨年の個展「イメージソング」も僕のホルガ写真の集大成的展示でしたが、
あの時は写真1枚1枚の美しさで心を動かしたいのが狙いで
展示そのものに込めたメッセージというのは特にありませんでした。

そういう点でも今年の個展は、
2006年から取り組んでいる僕のホルガ撮影スタイルで
みなさんに伝えたい事の1つを明確に表す事ができるのではないか?
そんなふうに思っています・・・「豆腐とビール」ですが(笑)

メインビジュアルとなる写真は、現在もなお撮影中・・・
その1枚のために、すでにフィルム4本分ぐらい撮ってるんですが
なかなか納得のいくものが撮れず・・・頑張ります!
吹雪手帖 > 2010年個展への道