マルチフォーマットキャリヤー『MFC-1』新発売!
Date : 2010/12/21 Tue

(12/22追記あり)

日曜日で「クリスマス展2010」も無事に終わりまして、
次回オールスターズ戦4までしばしお休み中のアビィですが、
今日は新製品情報をご紹介致します〜!

(株)エーパワーから発売中のフィルムスキャナ「TCS-566」ですが、
以前にもアビィ日誌で掲載しましたので
ご存知の方やご購入頂いた方も多いと思います。

このTCS-566はブローニー判(6x6まで)と35ミリに対応し、
パソコンなしでもフィルムスキャンできるスグレモノでしたが、
今回、このスキャナをさらに便利にする秘密兵器!
マルチフォーマットキャリヤー『MFC-1』が
12月24日に発売開始される事になりました!

TCS-566付属のフィルムキャリアは、
35mmスリーブ用・35mmスライドマウント用と
6x6カットフィルム用の3種類が付属していましたが、
この「6x6カットフィルム」というのがクセモノで、
6x6をスキャンしたければ
ネガを1コマずつハサミで切り離すか、
ボール紙などで簡易のスリーブキャリアを作る必要があって、
若干不便を強いられる仕様となっておりました。

そこで!エーパワーさんが新フィルムキャリアを開発!
『MFC-1』はフィルムキャリア1つで、
ブローニーのスリーブ1本(6x6で3コマぶん)と、
35mmのパーフォレーションを露出した状態でセットできます。

20101221-01.jpg
じゃじゃ〜ん!これが『MFC-1』です。
樹脂製のキャリアとガイドになる塩ビ板(2種類2枚ずつ)のセット。

20101221-02.jpg
まずこれは6x6のスリーブをセットしているところ。
塩ビ板のガイドは特に使わなくてもきっちりセットできました。
(ただし、スリーブが3コマぶん無い場合は必要です)

20101221-03.jpg
スキャナにキャリアを挿入します。

20101221-04.jpg
このようにちゃんとスキャンできるようになります。
これでネガにハサミを入れなくても大丈夫!

*ちなみに、以前の記事でも掲載した動画ですが、
 スキャン中の動作はこんなカンジです。
 スキャン時間は1秒程度。スピーディーに作業できます。



*動画が出ない人はこちら

実際にTCS-566でブローニー6x6のネガをスキャンした画像です。
画像をクリックすると原寸大で表示されます。
すべて1600万画素相当。
不要部分のトリミングとゴミ取り以外の処理はしていません。
スキャンしたままの明るさと色合いです。
なお、Web表示用にJPEG圧縮をしていますので
実際はもっと大きなファイル容量です。
(画像寸法はほぼ元のままです)

*ホルガでの写真(900KB)
20101221-66-01-s.jpg

*マミヤ6での写真(1.1MB)
20101221-66-02-s.jpg

では次に35mmフィルムのスキャンをしてみましょう。

まず、35mmフィルム用の塩ビ板のガイドを
あらかじめキャリアにセットしておきます
20101221-05.jpg
黄色い矢印のトコの突起とガイドを合わせて
キッチリとセットすることができます。

で、ネガをセットしてみましょう。
20101221-06.jpg
パーフォレーションのところはほとんど浮き上がりまして、
両端で支えている感じになります。

20101221-07.jpg
パフォレーションまでスキャンするときは
スキャナを「120フィルム」の設定にして下さい。
これで横幅58ミリでネガの好きな部分をスキャンできます。

僕がパフォレーション部分に撮影できるカメラを使っていないので
出来上がりの画像の見た目は普通で申し訳ないですが、
パフォレーション部分まで撮影できているネガでしたら
穴の部分が黒く抜けて、スクエアの写真になります。

実際にTCS-566で35mmのネガをスキャンした画像です。
画像をクリックすると原寸大で表示されます。
詳細は先程と同じです。

20101221-35mm01-s.jpg
283KB

20101221-35mm02-s.jpg
598KB

20101221-35mm03-s.jpg
332KB

ホルガの35ミリアダプターや、
bbfやルビテル+でパフォレーション撮影している方には、
スキャンがかなりラクになると思います。

スリーブ1本が規定の長さより短い場合は、
ネガがちゃんとまっすぐだったら問題ないのですが、
カールの具合により、ガイドの塩ビ板にネガが乗っからず、
20101221-08.jpg
こんなふうにキャリアからネガが外れてしまいます。
こういう場合はどうすれば良いか・・・

20101221-09.jpg
こんなカンジでマスキングテープとかで
キャリアからネガが外れないように軽く固定して下さい。
上は長さが微妙に足りない場合。下はかなり短い場合。

*キャリアからフィルムが外れてさえいなければ、
 スキャナ内部で巻き込んでしまうような事は起こりませんが、
 キャリアの挿入はくれぐれも慎重にやってください。

-------------

(12/22追記)

その他の対処方法をご紹介します。

20101222.jpg
この写真のように、塩ビ板のガイドの両サイドに
パーマセルテープをベロのように貼付けておけば
この上にフィルムが乗っかるのでキャリアから外れるのを防げます。
これならテープでフィルムを貼付けたりせずにすむので
よりカンタンに取り扱えると思います。

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では最後に、ちょっと遊んでみましょう。

20101221-10.jpg
110フィルムのネガをセットしてみました。
両端をマスキングテープで止めて固定しています。

20101221-11.jpg
横幅58ミリで好きな部分をスキャンできます。

20101221-110.jpg
こんなふうになりました。面白いでしょ〜(笑)
(なお、この写真のみ、画像ソフトで色補正をしています)

このように、キャリアにセットしたネガの好きな部分を
横幅58ミリでスキャンできるようになる『MFC-1』でした。
パーフォレーション部分のスキャン以外にも、
パノラマカメラのスキャンや特殊フォーマットのフィルムも
より手軽にスキャンできるようになるスグレモノです。

TCS-566のキャリアの横送りはかなり正確に動かせますので、
スキャンしたい1コマが58ミリ以上だったとしても、
少しずつダブらせながら何回かに分けてスキャンして、
あとは画像処理で合成すれば、キレイな画像ができると思います。

それと、まだ試してはいませんが、
フィルム読取り可能のフラッドベッドスキャナでも、
付属のフィルムキャリアの代わりに使える可能性があります。
特殊フォーマットのスキャンで難儀している方にも朗報かも!
(ピントの合う位置が機種により異なるので一概には言えませんが)

以上、マルチフォーマットキャリヤー『MFC-1』の
世界最速レビューでした!(笑)
定価は2940円。12月24日発売です。
お買い求めはメーカーのホームページからどうぞ〜

*MFC-1はTCS-566の付属品ではなく別売り商品です
新製品情報
作家列伝2010(その24)岡嘉太郎さん
Date : 2010/12/19 Sun

ギャラリー・アビィ作家列伝2010(その24)

○岡嘉太郎さん(今期3回出展)

今年の「さくらイロ●5」がアビィ初登場の岡さん。
2度目の出展だったトイカメラ写真月間のあと、
突然の個展開催申し込みをいただきまして
来年2月8日〜13日の日程で
写真展「Flat Fantasy」を開催予定です。
初個展開催を目前に控えたオールスターズ戦出場。
なかなか異例の事態となっておりますよ!!

ーまずは自己紹介をお願いします

oka.jpg


岡嘉太郎です。27歳です。
佐賀県の田園風景で生まれ育ち、
大学で名古屋に出て就職し、
転勤で大阪にやってきました。

ー写真歴は?

写真を撮り始めて4年ほどになります。
昔から「表現する事」を何かやってみたくて、
社会人になってからトイカメラ「Smena8M」を買って
しばらく漠然と撮り続けていました。

ーハマってきたのはいつぐらいからですか?

名古屋から大阪へ転勤になったあとは、
まあ写真は撮ったり撮らなかったり
なんか写真が無難な仕上がりで不満があったのですが
2年ぐらい前に肥後橋のmoguカメラで
写真家・小倉優司さんのプリントと出会って
目覚めた!という感じです。

ーアビィに参加し始めたキッカケは?

アビィのことはアチコチで名前はよく聞いていて、
展示する事に興味を持つようになりました。
去年の暮れぐらいからアビィさんに時々お邪魔して、
企画展に参加する機会を探していました。

ーそれが「さくらイロ●5」でしたね。
 展示写真の相談にいらっしゃったとき、
 すでにmoguさんで出したプリントがありましたね。

あのときはまずWebから参加の申し込みをして
それから気合いを入れて写真を撮りにいき、
moguさんでプリントして自分で何枚か選んで
吹雪さんに見てもらいました。
額やマットもこだわって選んでみたんです。

ーよく使うカメラは?

今はフィルム一眼レフのOM−2をよく使います。
Smena8Mやトイカメラもたまに使います。

ー好きな撮影モチーフやスタイルは?

日常風景や嫁さんをよく写しています。
「アッ」とした瞬間が撮れた時の、
「僕はコレが好きなんだな〜」とか、
「いいのが撮れてシメシメ〜!」というような
気持ちとか空気を観てくれる人に伝えたいですね。

ーオールスターズ参戦前にすでに個展開催決定ですが(笑)

今回の展示が個展で見せる作品の伏線になればいいですね。
上位に入って料金割引になったらなお嬉しいです(笑)

ーそれでは今年の出展作品からお気に入りを1つ!

「なつイロ●5」の作品です
oka_pic.jpg
「サラリーマンの夏休み」

写真表現を志す人にとって「日常写真」というのは、
ここ最近で人気のあるテーマの1つです。
言い換えれば「ありがちな写真」に陥りやすいのですが
岡さんの切り取る日常のワンシーンは
ストーリーのない映画のような印象的な風景です。
この感覚をずっと大切にしながら、
かけがえのないものを伝えて欲しいと思います。

それでは、岡さんの出展作品にご期待ください!



ーーーーーーーーーーーー

というわけで、
12月4日の連載開始からこの記事をもちまして
24名の出展作家さんを全員ご紹介いたしました。

今年も作家列伝執筆にあたるインタビューを通して、
色々な作家さんの知っているようで知らなかった事に触れ、
展示を通して人と人の気持ちが繋がり、
目覚めていなかった感性が開花するに至る過程を振り返り、
僕もふたたび心を新たに接する時間となりました。

急なインタビューのお願いにお付き合い頂いた作家の方々、
そして作家列伝2010を楽しみにお読みくださった皆様、
ほんとうにありがとうございました〜!

そしてついに年末の大一番!
オールスターズ戦の本番が始まります!
この1年間の集大成とも言える展覧会です。
年末のお忙しい時期の開催となりますが
みなさまのご高覧を賜りますと幸いです。

みんなで決める来年のスタア!
アビィ・オールスターズ戦を
どうぞよろしくお願い致します!

●第4回アビィ・オールスターズ戦
●2010年12月25日(土)〜12月28日(火)
●12:00〜19:00/入場無料
作家列伝 > 作家列伝2010
作家列伝2010(その23)菜美さん
Date : 2010/12/19 Sun

ギャラリー・アビィ作家列伝2010(その23)

○菜美さん(今期4回出展)

nami.jpg

今年7月の個展「daily planet」で
旅情感溢れる素晴らしい世界を描いた菜美さん。
長年の相棒LOMO LC-Aと共に見る旅先の風景を
素敵に写し撮っていく名人です。
オールスターズ戦は2年ぶり2度目の出場です。

ー今年の写真活動はいかがでしたか?

今年は初個展を開催できたことが一番の収穫です。
あとは、写真を通して友達が増えて、
楽しい充実した一年でした。

ー個展の続編もかなり期待している人が多いですよ!

個展でセレクトした写真たちが強烈な印象で
なかなか最近、写真をうまく決められないんですが
来年も楽しく写真を撮っていきたいです。
そして、また個展もしたいです!

ーそれでは今期お気に入りの展示を1つあげてください。

「たびフォト●4」の作品です
nami_pic.jpg
「それでも変わらない空」

菜美さんの写真には音楽がよく似合います。
良質なミュージッククリップを見ているような、
心地よさと切なさが同居する旅の浮遊感が持ち味。
ここ数年で何倍にも実力がアップした作家さんだと感じます。

それでは、菜美さんの出展作品にご期待ください!
作家列伝 > 作家列伝2010
作家列伝2010(その22)オカノアヤさん
Date : 2010/12/19 Sun

ギャラリー・アビィ作家列伝2010(その22)

○オカノアヤさん(今期3回出展)

okano.jpg

3年連続3回目のオールスターズ参戦のオカノさん。
アビィ開廊当初から参加頂いている作家さんです。
素直な写真に込めた真っすぐな気持ちが、いつも素敵です。

ー今年の写真活動はいかがでしたか?

今年の企画展参加は少なかったのですが、
友人に付き添って頂きながら焼いたモノクロ写真体験や、
撮影枚数は減って一枚ずつ大切にシャッターを切ることなど
自分のペースを楽しめた1年になりました。
来年も、身近な場所、人と過ごした時間を
道草しながら撮っていきたいです。

ー道草しながら撮っていきたいというのが
 オカノさんらしい言い表し方だなぁと思います。
 僕なんかはガツガツいってしまうほうなので、、
 それでは今期お気に入りの展示を1つあげてください。

「黒白冩眞展覧会●伍」の作品です
okano_pic.jpg
「そうそう、」

友達に教えてもらいながら
初めて自分で手焼きしたモノクロプリントを
モノクロがテーマの企画展に出すこと自体、
ちょっと怒られるかなと思ったのですが、
写真友達のいい表情が撮れた写真だったので・・・(笑)

初めはシンプルだったはずの表現への欲求が、
その活動が広がって充実感を得るほどに、
名声を求めたり、功名を競い合ったり、
どうしてもそんな方向に人間は進みがちです。
もちろん、そういった気持ちは大事ですが、
最終的にはその作家にとって何が大切なのか?
そのことに尽きると思います。
オカノさんの独特な気持ち・着眼点を共有できる人にとって
彼女の作品は何物にも代えがたい心地よさがあると思います。

それでは、オカノさんの出展作品にご期待ください!
作家列伝 > 作家列伝2010
作家列伝2010(その21)キクズミさん
Date : 2010/12/18 Sat

ギャラリー・アビィ作家列伝2010(その21)

○キクズミさん(今期2回出展)

キクズミさんは昨年のトイカメ月間が初アビィ。
トイカメラでの撮影を主にして、
最近はパノラマカメラ(Horizonなど)で
たいへん印象的な作品を発表なさっています。

ーまずは自己紹介をお願いします

kikuzumi.jpg

キクズミです。岡山出身・神戸在住の26歳です。

ー写真歴は?

明日12月15日でちょうど3年になります。
(インタビューは12/14実施でした)

ーアビィに参加し始めたキッカケは?

2007年のホルガエキスポに行った時に、
自分も展示したいなあと思って。
ホルガエキスポ→アビィは自然な流れで(笑)

ーこれまでアビィで出展頂いた方に、
 ホルガエキスポを観に行ったのがキッカケとか、
 初めて観た写真展がホルガエキスポで、とか、
 そういうふうに伺う事が多くて僕も嬉しいです。
 でもホルガは使ってませんよね!?

LOMOのトイカメラをよく使っています。
LC-A+とスイングパノラマのHorizon perfektです。
Horizonは2010年の撮影枚数1300枚いきました!

ーHorizonのことをご存じない方に申し上げますと、
 35ミリフィルム1.5コマ分使って撮るパノラマカメラです。
 それで1300枚とはすごいですね・・・!

たしかに・・・
現像&プリント代考えると我ながら恐ろしいですね・・・

ー6月の展示で見せてもらったポートフォリオも
 素晴らしいショットが満載で驚きましたが、
 撮影量の絶対的な多さの裏付けは、やはりスゴイな、と。。。

街中なんでも撮ります。風景も撮ります。友達も撮ります。
とにかくパシャパシャ、スナップ写真が多いと思います。
その時の一瞬の空気とか光とか、
自然体で収めれるような写真が撮れたらと思ってます。
そういった点で、瞬時にシャッターの切れるトイカメラが
自分には向いているのかなあと思います。

ートイカメラを使う理由が明確で素晴らしい事です。
 それでは今年の出展作品からお気に入りを1つ!

トイカメラ写真月間の作品です
kikuzumi_pic.jpg
「青春」

下に貼ってあるモノクロで乾杯しているやつが特にお気に入りです。
グラスの動きとかが上手く表せたかなと思います。
あと重要なところで、自分も乾杯に参加しているところ!
飲み会も楽しみながら、そんな中で、片手で上手く
Horizonが撮れたなぁと(笑)


「量が質を生む」とは有名写真家の言葉ですが、
ただでさえ扱いが難しいパノラマカメラを
デジカメのような勢いで撮りまくるキクズミさん。
それだけのことはある、驚くべき写真たちです。

それでは、キクズミさんの出展作品にご期待ください!
作家列伝 > 作家列伝2010