<< 行ってきました☆撮影旅行! :: main :: アートのこぶ〆にて掲載! >>
カリフォルニアでの展示風景
Date : 2010/09/22 Wed

先日のアビィ日誌でもお知らせした、
カリフォルニア州サンタバーバラでの展示ですが
ホルガリミテッド社から会場風景の写真を送っていただきました。

こちらが展示会場の「Brooks Institute's Gallery 27」です。
「ブルックス写真専門学校」に併設されているギャラリーだそうです。

20100922-1.jpg

僕の作品をよくご存知の方には、このロングショットの写真からでも、
どこに展示されているかすぐにお判り頂けると思います(笑)

来場者の方が僕の作品をご覧いただいているところの写真です。

20100922-2.jpg

20100922-3.jpg

世界的にはローカルな「大阪」という都市に暮らす僕の見た風景が
どんなふうに彼らの目に映っているのでしょうか。

それを想像すると、いろいろなことが自分にも見えてきます。

これらの作品をアメリカに送ったのは昨年の8月。
アメリカで巡回展示をすることが決まったのは6月頃のことで、
どういった作品を出すか、当初たいへん悩みました。

展示場所はもちろんアメリカ。観に来る人も大半がアメリカに暮らす人。
しかも10人の参加アーティストの中で日本人、というか、
アジアからの参加は僕だけで、あとはアメリカ人です。

この10人の中に僕がいることにどんな意味があるのだろうか?
なにかオリエンタルな題材のものを期待されているのか?
日本人が海外で展示をするにはそういう方向性が楽しんでもらえるのか?

いろいろな考えが渦巻いては寄り集まって
黒い影を僕の脳裏に落とし続けました・・・

なんだかんだと悩んだすえに、
その年の5月に開いた個展「イメージソング」から
4つの作品を抜粋して提出しました。

・川を渡る一羽の渡り鳥
・夕暮れの自宅キッチン
・古ぼけたマンションに咲く椿
・菜の花畑の河川敷

結局、いちばん大事なことは「自分本来のこと」であって、
海外だからといって、観衆のウケを狙って崩す必要はない、と。
自分の世界観がよく出ていると感じる作品を選んだのでした。

アメリカ人からすれば、たしかに見知らぬ国の風景ですが、
想像している「日本人が撮る風景」とは違うかもしれません。
そして僕の思い入れや撮影した意図、そんなことも、
言語や文化が違う世界ではまったく意味を成さないでしょう。

相手に合わせるのではなく、また、自分らしさを押し付けるのではなく、
ようするに、合うとか合わないとかではなくて、
ただたんに「観る人の目にそれがどう映った」のか?

その一点を知ることが、ほんとうに貴重な経験なのだと思います。

とくに、海外という、まったく違った環境の中で、
自分の写真作品が言語や文化や習慣の違いを越えて、
観る人の心を動かせるチカラがあるのかどうか、
そのことを考えるのが大事なのでしょう。

そしてそういう作品が時代を超えて語り継がれるのではないか・・・

僕の作品にそこまでのチカラが備わっているのかどうか?
それはまだ判りませんが、そのことに気づけたということだけでも、
昨年から始まったこのアメリカでの巡回展に参加してよかったと感じます。
海外での活動
<< 行ってきました☆撮影旅行! :: main :: アートのこぶ〆にて掲載! >>
Comments
ギャラリーオーナーの話ですが、タイジュの作品を見ると、私もまた日本に行きたいと言ってました。
人のイメージは美化する傾向にあり、さらに10数年前の日本を思い出した上で、数多くの作品を取り扱うギャラリーのオーナーとスタッフ2名をセンチメンタルな感覚にさせてしまう作品は、吹雪さんの世界観がすごく評価されたことだと思います。
第一、オーナーは吹雪さんがギャラリーのオーナーで、限られた時間で撮影してるなんて知りまませんでしたので、かなり驚いてましたよ。

基本的に、作品には値札が付いていて、必ず販売するものというシビアな環境においても評価されている吹雪さんの作品はすごいですよね。
単に、行ったことがない未知の国とかの興味本位ではなく、その季節に見れるセンチメンタルな1シーンを切り取り、表情のある作品はMoMAにも無いです。
いつかは海外で個展を期待しています!!
オープニングパーティーはかなりの費用がかかりますが…
toripy | 2010/09/22 22:58
Comment Form
Trackbacks