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吹雪手帖その98「2010年個展への道(19)」
Date : 2010/05/10 Mon

吹雪手帖その98
「2010年個展への道(19)」

20100510.jpg

昨日で僕の今年の個展「豆腐とビール」が無事に終わりました。
結局、最終日以外ほとんど毎日、夜8時か9時まで営業してしまうほど
ひっきりなしにたくさんのお客様にご来場いただき、
僕自身も経験のないぐらい立ちっぱなし話しっぱなし状態になった、
忙しくもとても楽しい夢のような6日間でした。
(混雑時にじっくりお話しできなかった方、すみません!)

会場でお会いできたみなさま、ありがたい差し入れを頂いたみなさま、
作品集や写真カードをお買い上げいただいたみなさま、
展示の盛況を遠くから見守っていただいたみなさま、
準備の遅れを気にかけてくださったみなさま、
ハレパネの作業や作品集製本を手伝ってくれたテクマクさん、
ほんとうにありがとうございました〜!

自分としても異例の撮影枚数の多さと準備期間の短さの中で
ガムシャラにもがきまくって、なんとか完成にこぎつけた今回の個展は
しばらくのあいだ、忘れることのできない経験になりそうです。

今回はいままでに発表した作品の中でも、
映画的制作方法をいちばん強く取り入れて、
撮影にも展示空間にもそれを色濃く出してゆき、
僕ならではの作品をご覧頂くことができたと思います。

しかし、それとは別に、訴えたいこともありました。

トイカメラ・ホルガというものが普及するにつれて
浅い理解や商業的思考、表面的なことだけ真似たデジタル処理、
そういったものがどうしても先行してしまって、
ホルガという物の姿が正しいカタチで見てもらえなくなってきている。
そういう現状を吹き飛ばすための僕なりの行動として、
今回の展示をしたのです。

いちいちホルガで撮らないような、デジカメで撮ればよさそうなものにも
ちゃんとホルガのレンズを向けて撮ることが大事ではないか。
そんなのはホルガで撮らなくていい・・・そういう違和感が発端でした。

写真は「今」しか写すことができない。
好きなものに自分で可能性の線を引いてはいけない。
ホルガはカンタンに扱うだけのカメラだと自分で決め付けない。
だから、愛するものを、好きなカメラで撮って残すこと。
そしてそれを使って自分の気持ちを表現すること。

僕の撮る写真は豆腐とビールのように何気ないものばかりだけど、
これからも、1つ1つ、1枚1枚、真剣に向き合って撮っていくのだと、
自分としては作品と展示の中にそういう気持ちを込めました。

見る人によって感じ取り方はもちろん様々に変わるわけですが、
そういうことを考えてホルガを撮ってる吹雪ってヤツが大阪にいるよと、
見た人の記憶の中に少しでも残ることができたら嬉しいです。

と、暑苦しい感じになってきたので、これにて退散いたします(笑)
そして来年の個展に向けて、さっそく動き出していきたいと思います。

これからもご声援のほど、よろしくお願い致します!
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Comments
お疲れさまでした〜。
久しぶりにふぶさんの個展を見させていただきました。地元の風景をとてもいとおしく思っているのだなー、と、感じました。

自分は、はたして、地元をこんなに愛せるだろうかと。問いかける展示でした。
イルちゃん | 2010/05/11 19:39
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